株式会社大林組は2月26日、株式会社トクヤマ、萩原工業株式会社、株式会社トクヤマエムテック、株式会社テクノ・ブリッドと共同にて、道路橋床版補強工法「タフスラブ・ラピッド工法」に適用可能な超速硬・高じん性コンクリートを開発したと発表した。
全国に道路橋のうち建設後50年となる橋梁の割合は、2023年に4割以上に達すると予測されている。橋梁の耐用年数は60年~70年程度と推定されているのだが、道路橋の床版の劣化が顕在化しており補強対策が求められている。
従来の施工法では硬練りの鋼繊維補強コンクリートを使用するため大型機械や設備が必要となり、機械の手配や輸送に時間がかかる、機械の設置場所を確保するために道路を通行止めにしなくてはならない。
大林組が2011年に開発した道路橋床版補強工法「タフスラブ・ラピッド工法」は、このような背景を踏まえて流動性が高くポンプ圧送できるプレミックスモルタル「オートモルスーパー」を増厚材として使用。それによって施工に必要な機械設備のコンパクト化と、施工性の向上を実現した。
今回は「オートモルスーパー」に加えて、適用可能な超速硬高じん性コンクリート「オートモルスーパーG」と「オートモルスーパーGR」を新たに開発した。
「オートモルスーパー」は、モルタルに骨材を加えることによって三段階に設定、劣化状況や施工条件などに合わせて材料を選択することが可能だ。
「オートモルスーパーG」はモルタルに粗骨材を混入し、特殊ポリプロピレン繊維の種類を変更することによって、じん性を確保しつつ低収縮化・低価格化を実現したものだ。
「オートモルスーパーGR」は、細骨材に特殊骨材を使うことで軽量化するとともに、静弾性係数を既存床版と同程度にすることで一体性を向上させたものだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/201602261_1