ごみ焼却プラントの酸性ガスを効率的に除去
ごみ焼却発電プラントでは、ごみの焼却時に排ガスとして、酸性ガス(塩化水素や硫黄酸化物など)が発生する。日立造船株式会社は、この酸性ガスを効率的に除去できるシステムを開発したと、8月19日(金)に発表した。
2015年8月より実証実験を桐生市清掃センターで行い、効果が認められたものであり、全国の新設および既存のごみ焼却発電プラントへの展開を実施していく。
ランニングコストと環境負荷を大幅に削減
大半のごみ焼却発電プラントでは、ろ過式集じん機に消石灰等のアルカリ薬剤を吹き込む乾式処理方式が採用されている。従来は確実に酸性ガスを除去するために、必要以上の消石灰を吹き込む必要があった。
そのため、反応しきれない消石灰は、反応生成物、焼却炉から発生する灰とともに、集じん灰として、セメント原料などに利用、あるいは飛灰処理の上、埋め立て処分されている。
同社の開発した新システムは、集じん灰再循環システムといい、未反応の消石灰を再利用することにより、使用量を2~4割も低減することを可能とした。コストダウンの他、環境負荷への低減や、厳しいガス規制値への対応も期待される。
装置構成は、ろ過式集じん器と、集じん灰再循環装置。従来のシステムで必要であった排水処理や再加熱器、湿式洗煙塔などは不要であり、この点でもコストや環境負荷の低減につながるとみられる。
新設だけでなく、既存施設にも展開可能
同社グループは、日本をはじめとして、アジア・欧州などで850件以上のごみ焼却発電プラントの受注実績を誇る。本システムを新設だけでなく、既存のプラントにも積極的に採用を薦めていく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
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