発電プラントとは

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発電プラント

発電プラントとは、電気をつくる発電所のことです。

発電プラントの歴史

わが国では、明治時代に最初の発電所が建設されて以降、経済発展による電力需要の急増、環境・エネルギー事情などの環境変化を受けて変遷を続けてきました。
かつては、ダムによる水力発電が中心でしたが、火力発電所の経済性や信頼性の向上により火力発電所の建設が増加しました。その後、オイルショックの影響や環境保護・省エネルギーを背景に原子力発電所の建設が増えました。

日本の風力発電導入量の推移(図をクリックで拡大)

しかし、福島第一原子力発電所事故を受けて、政府は原子力発電重視のエネルギー政策を抜本的に見直し、再生可能エネルギーの開発を加速する方針を打ち出しています。
新エネルギーとしては、自然エネルギーやリサイクルエネルギーを利用する太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、バイオマス発電、廃棄物発電、燃料電池などの開発と実用化が進められています。
発電電力量で見ると、2010 年度の電源構成は、原子力30.8%、石炭火力23.8%、LNG 火力27.2%、石油等火力8.3%、水力8.7%、新エネルギー等1.2%となっています。

 

 

 

発電プラントの種類

発電方式の違いにより、いろいろな発電プラントがあります。タービン発電機を回して、電気を発生させること自体は、どの発電プラントも同じですが、電気を得るために投入されるエネルギーが異なります。

(1)火力発電
石炭、石油、LNGガスといった化石燃料をボイラーで燃焼させ、その熱で作られた蒸気の力でタービンを回して発電します。火力発電は、電気消費量の変化に対応しやすいのが特徴です。
石炭火力は、CO2排出量がLNGガスの1.5~2倍と多いこともあり利用が少なくなっていましたが、発電キロワット当たりの燃料費が、石油の1/4、LNGガスの半分以下と安いため、環境影響評価の見直しが行われています。
経済産業省は、2019年度以降に運転を始める火力発電所の事業を電力会社以外に開放し、入札制度を導入します。発電ノウハウを持つガスや鉄鋼、化学などの事業者の参入を促して電気代の抑制につなげるのが狙いです。

(2)太陽光発電
太陽光発電は、太陽の光エネルギーを太陽電池で電気に変換する発電方法です。シリコン半導体に光が当たると電気が発生する原理を利用しています。
火力発電所、原子力発電所に比べメンテナンスが容易です。近年、導入が進み設置コストが低下しています。建物の屋上にも設置できるなどの利点から電力会社以外の一般企業・自治体が、売電用または自家発電用に太陽光発電設備を建設する事例が増加しています。

(3)風力発電
① 風力発電の原理
風力発電は、「風」の力で風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて電気を起こすものです。ただし、無風状態では電気を発生しないためエネルギー源としては不安定であり、立地の制約を受ける面もあります。
風は、太陽によって温められた空気と冷たい空気の循環により発生します。風のエネルギーは、風を受ける面積に比例し、風速の3乗に比例して増大する性質があります。つまり、風速が2倍になると風力エネルギーは8倍になるため、風力発電を設置する場所は少しでも風が強いことと、大きい翼で効率よく風を受けることが重要なポイントとなります。
② 風力発電の種類
風のエネルギーを風車に変換する効率は風車の形式によって異なります。風車は、大型の風車と、風車の直径が7メートル以下の小型風車に分類されます。小型風車には、より風車直径の小さいミニ風車やマイクロ風車もあります。
発電目的の風車としては、出力の大きいプロペラ型水平軸風車が主力となっています。その他には、風向きを選ばずに発電を行うことができる垂直軸タイプの風車もあります。
風車は大型になるほど割安になり、出力あたりのコストが下がるのが一般的です。以前は数百kW級が主流でしたが、現在では1,500kWから2,000kWの大型風車も登場し、大型化が進んでいます。発電単価は火力の約1.5~3倍程度となります。より風況のよい場所への設置、建設コストの削減や高効率な大型風車の開発、ウィンドファームとして集中して建設することによる発電コストの低減が行われています。
洋上を利用した大規模な風力発電に大きな期待がよせられています。

(4)地熱発電
地熱発電は、地下深部に浸透した雨水が地熱によって加熱され、高温の熱水として貯えられている地熱貯留層から、地上に熱水・蒸気を取り出して、タービンを回し電気を起こすシステムです。
地熱発電は第2次石油ショックを契機に増加しましたが、近年、設置が停滞しています。地下熱源の探査・開発には多大な費用がかかり、探査しても、適当な地下熱源が発見できるとは限らないこと、調査から地熱発電所の運転開始までの期間が長く、15~20年かかること、発電所の候補地の多くが国立公園に指定されていることなどが理由です。
2009 年度時点で、地熱発電所は15 地点となっています。

(5)原子力発電

日本国内の原子力発電所(図をクリックで拡大)

BWRとPWR(図をクリックで拡大)

ウランを燃料とし、核分裂する時の熱を利用した蒸気でタービンを回して発電します。火力発電とは異なり、発電時は二酸化炭素等は出ず、水力発電と同じようにクリーンですが、放射能漏れ等の危険度が高く、対策を厳重にする必要があります。
我が国で主として採用されている原子炉は、世界の原子力発電の中心となっている軽水炉と呼ばれるものであり、沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)の2種類があります。BWR は原子炉の中で蒸気を発生させて直接タービンを回す方式です。PWR は原子炉で発生した高温高圧の水を蒸気発生器に送り、そこで蒸気を作ってタービンを回す方式です。放射性物質を含んだ水がタービンや復水器に行かないため、タービンなどの発電部分に関するメンテナンス性が良いことが特徴です。

(6)水力発電

ダムなどの高い場所に貯められた水を落下させて、水車を回すことにより、水車に連結された発電機が回り、発電します。エネルギー源は水なので、クリーンで環境にやさしい発電です。水力発電の中でも、発電のみを行う発電所を一般水力、余剰電力により汲み上げた水を落下させて発電する発電所を揚水式水力といいます。

 

発電プラントのしくみ

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一般的な火力発電所は、以下のしくみで発電しています。
① ボイラー
燃料貯蔵庫から送られる燃料を、燃やします。燃やした熱で、水を蒸気に換え、タービンへ送ります。
タービン・発電機
ボイラーから送られた蒸気がタービンのブレードにあたり、タービンが回ります。タービンと同軸の発電機を回すことで電気を作ります。
③ 復水器
タービンを回した蒸気を冷やして水に戻し、再びボイラーへ送ります。
④ 主変圧器
発電機によって発電された電気を送電しやすいように、昇圧させます。
⑤ 開閉所
電気をそれぞれの送電線路へ送ります。
⑥ 排煙脱硝装置
排ガスに含まれる有害の窒素酸化物(NOx)を除去します。
⑦ 電気集塵装置
排ガスに含まれる煤塵を除去します。
⑧ 排煙脱硫装置
排ガスに含まれる有害の硫黄酸化物(SOx)を除去します。
⑨ 取水路 放水路
発電所では、冷却等に海水を使用します。

用語解説

風速
地上約10メートルの高さにおける10分間の平均風速を「風速」として表します。0.25秒ごとに更新される3秒平均値を瞬間風速といいます。また、平均風速の最大値を最大風速、瞬間風速の最大値を最大瞬間風速といいます。風力発電には、風速6m/秒が必要といわれています。

 

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