水車小屋から発展した小水力発電 ~昼夜を問わず発電するクリーンエネルギー~ | 建設・設備求人データベース

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水車小屋から発展した小水力発電 ~昼夜を問わず発電するクリーンエネルギー~

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2017年09月05日

水力は、身近なエネルギーとして、古来から水車による粉ひきなどに利用されてきました。

小水力発電とは

小水力発電とは、ダムのような大規模な施設を使わず、小河川・用水路・水道施設などで行う小規模な水力発電です。水の流れでタービン(水車)を回して発電する原理はダムと同じですが、ダムのような大規模な構造物が必要でなく、自然環境への負荷が少ないことが特徴です。

流量が変わらなければ、季節や時間帯を問わずに電力を安定供給できるのも大きな魅力です。太陽光発電の設備利用率が12%、風力発電が20~30%であるのに対して、少水力発電は平均して60%になるといわれています。そのため太陽光と比較して5~8倍の電力を発電することができます。日本では、1000kW以下の水力発電を小水力発電と呼んでいます。

小水力発電の設置場所

小水力発電を設置する場所は、勾配が大きい(1/10程度、少なくとも1/30以下)こと、渇水期でもある程度水が流れていること、土砂災害が起きにくいことが大切です。

農業用水路では、勾配が1/30以下が目安で、30m程度以上の落差があれば、発電できる可能性があります。幅が1mほどの用水路でも取り付けることができるので、設置できる場所は数えきれないほどあります。

流量を確保する方式にはいろいろな方法があります。①川などをバイパスして水路や水圧管路を設置する方法、②用水路の落差工や既存の堰などに水車と発電機を直接設置する方法、③ため池やプールなどの施設の水を利用する方法などです。
上下水道施設やビル施設、家庭などでの発電も可能であり、水力発電の可能性は無限にあります。

小水力発電の課題

しかし、小水力発電を行う河川や用水路には木の枝や枯れ葉、ゴミが流れてくるという問題があります。そのままでは発電に支障をきたすため、日々の稼働状況確認や障害物の除去が欠かせません。洪水で流量が限界を超えると発電設備が破損し、流失することもあります。さらに気候変動などで降水量が減り水量が少なくなると、発電量が当初の計画を下回る可能性もあります。

法的手続きの簡素化

また、水は、流域の多くの人が利用するため、利害関係を調整する手続きが必要です。河川法により、河川水を利用する場合は、河川管理者から水利使用の許可(水利権)を取得しなくてはならないと定められています。例えば農業用水は農家や農業団体が水利権を持つなど、水利権を取得するための手続きが煩雑です。

こうした河川の流水の利用は、これまですべて許可制となっていましたが、平成25年12月に河川法が改正され、農業用水や水道用水として既に許可を得ている流水を利用して、従属発電として水力発電を行う場合は、許可制ではなく登録制とすることになりました(図表-1)。河川の流量等に新たな影響を与えないと判断されるためです。

水利使用手続きが簡素化され、小水力発電の導入促進が期待されています。

図表-1 通常の水力発電と従属発電

出典:小水力発電設置のための手引き(国土交通省)


【用語解説】

●水利権

河川法が規定するもので、水力発電、かんがい、水道等の目的を達成するのに必要な限度において、河川の流水、湖沼の水などの流水を排他的・継続的に使用することができる権利です。行政機関に対する私法上の債権としての性質を持つ権利であり、他人に引き継ぐことができます。


阿部守様_紹介

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