建築物の省エネ性能の指標、ラベリング制度がスタート

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建築物の省エネ性能の指標、ラベリング制度がスタート

2016年06月03日 02:00

建築物の省エネ化

省エネという言葉は、近年製品の付加価値を高める大きな要素となっており、各分野で省エネ性能技術のしのぎを削っている。エネルギーを消費する分野としては、大きく産業、建築物、運輸に分けられる。

その中で、産業と運輸の消費量は減少傾向にあるものの、建築物だけは増加し、現在では全体の3分の1を占めるまでになった。確かに建築物は、構造物が大きいため、修正や変更が容易ではない。しかし、一次エネルギーにも限界がある。そのため国交省は、今年の4月に建築物の省エネ性能を表示するラベリング制度をスタートさせた。

ラベリング制度とは

今回スタートしたラベリング制度は、 「省エネルギーラベル」の建築版といった感じで、各建築物の省エネ性能に応じて5段階表示。もちろん、5つ星が最高で、省エネ性能が20パーセント以上、4つ星は15パーセント以上、3つ星は10パーセント以上、目安としては2つ星が省エネ基準クリアの最低ライン。

これは新築住宅の場合で、既存(中古)建築物の場合、省エネ改修を行っても現在の省エネ基準をクリアすることが困難なため、本来の省エネ基準よりも10パーセント低い性能で1つ星となる。ラベルには星の表示とあわせ、プレートを用い緑の領域ほど省エネであることを示し、1パーセント単位で削減率を数値化している。

削減率の根拠は、原油、太陽光、天然ガスなど自然から得られる一次エネルギーの消費量。なお一次エネルギー消費量は、キロワットアワーやリットルといったそれぞれ異なる二次エネルギーの単位を、メガジュールまたはギガジュールという一次エネルギーの単位に換算した総エネルギー消費量のこと。

ラベルには、戸建住宅・共同住宅と非住宅・複合建築物の2種類があり、新築、既存問わず国が定めた建築物の省エネ基準をどれだけ上回っているのかを表示するBELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)マークと呼ばれる。

既存建築物の省エネマーク

さらに既存の建築物でも、以下の要件の改修工事を行った場合、行政庁による認定を受け、基準適合認定マーク(eマーク)を表示できる。

1,躯体(壁や天井等)の省エネ改修を伴うもの2,改修前と比較して15パーセント以上の省エネ効果が見込まれること3,改修後に一定の省エネ性能に関する基準を満たすこと。そして建物所有者が省エネ性能の表示をアピールしたい時。また、300平方メートル以上の既存住宅や建築物への省エネ性能の診断・表示として表記が義務付けられている。

両マークとも、建売住宅や分譲・賃貸マンションなどの建築物の広告やパンフレットなどに表示されることで、省エネな家かが一目瞭然となる。そのため、消費者としてはより快適、ローランニングコストな暮らしが実現できる。そうすれば、建築物全体の省エネ性能がさらに向上するだろう。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

国土交通省 プレスリリース
http://www.mlit.go.jp/common/001122756.pdf

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