耐震性能が大幅に向上する「Post-Head-Anchor」
大成建設は10月26日、既設コンクリート建築物の耐震性能を高める工法を開発したと発表した。
新たに開発したのは建築物の補強・増設を行う際に用いる、鉄筋挿入・定着工法「Post-Head-Anchor(ポスト ヘッド アンカー)」。
引張力を確実に伝達
既存建築物の増改築や耐震補強では、建築物に新たな構造体を固着する「あと施工アンカー」工法が採用されるのが一般的だ。
しかし、この工法では既設建築物と固着した構造体との間でせん断力は伝達するが、引張力が伝達できないという欠点があった。
この問題を解決するために開発されたのが、「ポスト ヘッド アンカー工法」である。
既設コンクリート躯体に孔を開け、孔内に特殊モルタルを充填したうえで、孔内に新開発の鉄筋「Post-Head-Anchor」を挿入して定着する。
これによって、地震時に発生する引張力を躯体間で確実に伝達させることが可能になり、耐震性能を大きく向上させた。
大成建設では今後、「ポスト ヘッド アンカー工法」を発電所などの重要施設の地震・津波対策を始め、各種建物、一般的な建築物の増改築や耐震補強工事などに幅広く展開する方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社のプレスリリース
http://www.taisei.co.jp/1443421276075.html