西松建設は、プレキャストコンクリート梁のコストダウンを可能とする NSビーム工法を開発。一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得した。

従来のプレキャストコンクリート梁工法では、梁下部は高強度コンクリートで製作されたプレキャストを用いる。
また、梁上部はプレキャストと同じ高強度コンクリートを用いるが、これは現場打ちによって構築する。しかし、一般的に床スラブのコンクリート強度は、梁のコンクリート強度に比べて低い。そのためプレキャスト梁工法では、床スラブと梁上部の強度を打ち分ける必要があった。
しかし、コンクリートの強度を打ち分ける場合、止め型枠が必要で施工が煩雑になる。さらに、現場打設では施工のたやすさからコンクリートを高流動化するため、止め型枠からあふれ出しやすく施工上の手間がかかる。
今回、開発したNSビーム工法は、梁上部に床スラブと同一強度のコンクリートを打設して構成する。コンクリートの打ち分けに必要な止め型枠もいらず、作業工数が削減でき、施工の合理化・省力化を図ることができる。
策定した「NSビーム工法 設計・施工指針」に従い、設計・施工した梁は長期荷重時に使用上の支障が生じず、短期荷重時に修復性を損なう損傷が生じないことを確認した。
また、極めてまれに発生する大地震時にも、同指針で目標とする終局強度と変形性能を有することが、構造性能実験によって確認できた。
同社は、「NSビーム工法」が建築技術性能証明を取得したことを受けて、プレキャスト鉄筋コンクリート造の物件に対し、同工法の技術提案を積極的に行う予定だ。
(画像はプレスリリースより)
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西松建設株式会社 プレスリリース
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