鹿島建設株式会社(東京都港区、社長:中村 満義)は、従来品に比べC02排出量削減と強度向上を両立させた鹿島環境配慮型CFT充填(KKC)コンクリートを開発したと発表した。
これまで一般的だったの普通ポルトランドセメントや中庸熱ポルトランドセメントを用いたコンクリートは、その主な原料のうちセメントに起因するCO2排出量が747kgにもなる。
これは、その他の建築材料の粗骨材、細骨材のそれが3~4kg程度であるのに比べ圧倒的に大きく、セメント起因のCO2排出量削減がかねてよりの大きな課題であった。
その上、従来の低炭素セメントとして使用された高炉セメントBは一定の高強度レベルになると粘度も高くなるのに伴い流動性も低くなることから、鋼管への充填が必要となるCFT充填コンクリートには適していなかった。そこで、このような二重の課題をクリアし改良を重ねて開発されたのがKKCコンクリートだ。
(画像はプレスリリースより)
KKCコンクリートは、CO2排出量の40%削減と、粘度低減による圧入施工性向上と強度向上等が主な特長である。
(画像はプレスリリースより)
CO2排出量削減のために、コンクリート主原料の普通ポルトランドセメントの一部を高炉スラグと石灰系混和材に置き換えることで可能とした。
そして、従来、中庸熱ポルトランドセメントを用いたコンクリートでは、Fc42N/㎟を限度として高粘度・低流動になったところを、新開発品では塑性粘度を小さく、その分流動性が高いため特にポンプ工法での圧入時施工性がよく、Fc60N/㎟まで適用可能にした。
(画像はプレスリリースより)
さらに、今後CFT構造による事務所建設が見込まれる都内において安定供給を実現するため、KKCコンクリートについて、CFT充填コンクリートに必要な大臣認可を都内生コン3工場と共同で取得済みだ。
その材料調達も首都圏内の株式会社デイ・シイ(神奈川県川崎市、社長:工藤 秀樹)に製造委託している。高品質ながら、そのコストも同一設計基準強度で中庸熱ポルトランドセメントコンクリートと同等と、経済的で手軽だ。
同社では今後、安定供給体制という強みを活かして、CFT構造の需要が高く見込まれる主に都区内において普及展開を図るという。KKCコンクリートの普及推進を通じ低炭素社会実現への前進に向け貢献していく考えだ。
▼外部リンク
鹿島建設株式会社 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201406/9a1-j.htm