サンゴ増殖のためのモルタル製着床具を開発
大成建設は、5月13日、亜熱帯海域に生息するサンゴを有性生殖法で増殖させるための「モルタル製着床具」を開発し、沖縄県宮古島海域における実証実験によって着床と成長を確認したことを発表した。
2012年5月より沖縄県宮古島沿岸にて、新開発した着床具の性能を評価する実証実験を開始。設置から22カ月を経た2014年3月の調査で、42個のサンゴが着床・成長していることを確認したという。
(画像はプレスリリースより)
開発技術概要
着床具の材料として調達や製作が容易なモルタルを採用。大量生産が可能で、離島など現地でも製造できるというメリットがある。
また、着床を促進させるため、モルタル(セメント)に特殊な表面処理剤を塗布し、溶出するアルカリ成分によるサンゴへの悪影響を抑制。また、サンゴの幼生が着床しやすいよう、表面部分を凹凸にした。
さらに、独自開発したシミュレーションを使うことで着床具の設置ポイントの予測ができるため、より多くのサンゴの着床が可能になるという。
サンゴ礁における環境技術の実用化
近年、亜熱帯海域に生息するサンゴは、環境の悪化とともに個体数の減少が指摘されており、生態系バランスを維持させることが不可欠となっている。
大成建設では、今後、着床具およびシミュレーションによる増殖技術の実用化へ努め、環境保全対策に貢献していく構えだ。
▼外部リンク
大成建設・プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/