2017年12月5日、株式会社竹中工務店は、新開発した3次元メガトラス架構を採用し、3次元レーザースキャナーによりレリーフの復元再生を実施した「大阪商工信用金庫新本店ビル」(以下、同建物)の工事(以下、同工事)を完了したと発表した。
同建物は三角形の平面形状をデザインコンセプトとした構造であるため、一般的な四角形の平面形状の建物のように直交する2辺方向と斜辺およびその直交方向全ての平面剛性のバランスをとるのが難しく、特に、斜辺直交方向が構造的弱点となる懸念があった。
同建物は、地下1階・地上12階・塔屋1階の地下RC造・地上S造(柱CFT造)で、建物高さ60.86m・建築面積1,247平方メートル・延床面積9,6672平方メートルであり、平面形状による剛性バランスの弱点を最小化するために、免震構造を採用するとともに、「3次元メガトラス架構」(以下、同構造)を開発した。
同構造は、屋上の設備室に設けた、斜辺方向および直交方向のハットトラスの節点を共有させて、斜辺直交方向の地震や風荷重によって柱に作用する引抜き力を分散させることで、効果的に揺れを低減する。
また、既存建物の屋上部に設置されていた建築家・今井兼次氏デザインのレリーフ・フェニックスモザイク(作品名:糸車の幻想)のイメージを再現し、低層部西側のパブリックスペースに設置して、旧建物の遺産の継承を図っている。
なお、レリーフは、安全性を高めるために免震上部に設置するとともに、既存のレリーフを3次元レーザースキャナーで実測して得られた座標情報と色調情報を基にして、正確に再現した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2017/12/01/index.html