2017年9月6日、三井住友建設株式会社は、マレーシアでの石油精製・石油化学プラントの建設プロジェクト(以下、同プロジェクト)において、パイプラックの施工で、フルプレキャストコンクリート(スクライム)工法(以下、同工法)を海外で初めて適用したと発表した。
同工法は、現場打ちコンクリートに代わり、プレキャストコンクリート(PCa)部材を用いた手法で、これまで、同社は、国内の鉄筋コンクリート構造建物において、工期短縮・高品質・経済性と施工性を実現する手法として、技術開発と適用を進めてきた。
この度の工事では、同工法を海外のパイプラック施設向けに再構築した。
同社は、同プロジェクトの全23工区のうち、1工区のプラント施設におけるパイプラックの施工を担当した。なお、建物は、剛接合とピン接合の複合形態のRC造ラーメン架構で、平面42.0m×10.0m・高さ23.0mの形状で、合計36棟だ。
同プロジェクトの敷地は、面積が28平方キロメートルで、パーム林が一帯に植林されていた地方の農業地域を石油資源用に転換された場所であり、電気・水道・物流網が未整備のため、コンクリートも専用プラントを新設して供給を受ける必要があった。
そこで、同社は、同工法を海外パイプラック施設向けに再構築して、PCa部材を既存のマレーシア国内にある工場で製造した。
これにより、材料コストの増加はあったものの、現場打ちコンクリートのないフルPCa工法や、高所作業車での施工による完全無足場工法などを採用し、施工生産性を約3倍向上させて労務費などを削減することにより、コスト差を生じさせることなく、高効率化を実現した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
三井住友建設 ニュースリリース
http://www.smcon.co.jp/2017/090619740/