三井住友建設株式会社と住友大阪セメント株式会社が共同で、コンクリート橋の主桁端部へ適用できる電気防食工法を開発した。
今回開発した桁端電気防食工法は陽極材と型枠を一体化する事によって、狭い場所であっても電気防食工法を施工できるようにしたものだ。橋梁の主桁端部は伸縮装置からの漏水や凍結防止剤に含まれている塩化物イオンなどによって、劣化が進行する事例が増加している。しかし問題となる箇所は作業空間が狭いため、補修方法が確立されていなかった。
(画像は三井住友建設会社 ニュースリリースより)
その他の特徴は、 桁端部のはつり作業はウォータージェット工法で行うため、内部鉄筋やPC鋼材定着部などを傷めつけることがない。これは 陽極材と型枠を一体化したパネルを設置して特殊モルタルを注入し、陽極材の被覆と断面修復を同時に行うからだ。
またモルタルが硬化したあとは、各パネルの陽極材を電源装置に接続するため、これまでは難しかった電気防食工法を適用できる。通電した後はパネルに設置した照合電極によって、内部にある鉄筋の腐食傾向を継続的に計測、適切な通電量を設定することが可能だ。
コンクリート橋は高度経済成長期に作られたものが多く、40~50年を経ているものが少なくない。そのため老朽化が進んでおり、適切な維持や管理が必要だ。今後三井住友建設と住友大阪セメントは、コンクリート橋の劣化の対応策として、桁端電気防食工法の適用を積極的に提案し、橋梁長寿命化に貢献したいと考えている。
▼外部リンク
三井住友建設会社 ニュースリリース
http://www.smcon.co.jp/2013/08216304/
三井住友建設会社
http://www.smcon.co.jp
住友大阪セメント株式会社
http://www.soc.co.jp