2013年3月9日、日揮株式会社は、低温から中温までの排ガス向け乾式脱硫・脱硝システム(以下、同システム)を開発し、中国で排ガス規制が強化されたコークス炉など向けに、技術供与およびシステム導入に関する事業展開を図っていると発表した。
同社は、2015年より中国モンゴル自治区烏海市にあるコークス製造企業美方コークス化公司のコークスガス燃焼排ガス向けに技術供与を行い、エンジニアリング企業北京宝塔三聚能源科技有限公司(以下宝聚)と協力して、同システムの設備を納入し、2016年8月から稼働を開始した。
今後は、コークス炉のみならず、ゴミ焼却、ガラス工場への同システムの適用拡大が期待でき、同社と宝聚の両社出資による事業会社の設立も視野に入れて、マーケット拡大を図る予定。
コークス炉、セメント工場、ゴミ焼却炉、製鉄会社の焼結炉の脱硝装置においては、排ガスは温度が低いことから、脱硝の前に十分な脱硫を行う必要があり、排ガスを再加熱する設備、そのための燃料、ならびに排水処理設備が必要となるなどの課題がある。
日揮は、排ガス温度が低下せず、水を使わないため排水処理の必要がなく、幅広い温度範囲で高い脱硫性能を示す乾式脱硫法と、低温脱硝触媒の組み合わせによる中低温排ガス向けの脱硫・脱硝システムの開発を進めてきた。
乾式脱硫技術では、北海道電力株式会社が開発した石炭灰利用乾式脱硫技術を採用し、低温脱硝触媒では日揮グループ会社である日揮触媒化成が開発した低温脱硝触媒を採用した。また、株式会社セテックによるスリム化した脱硫塔を採用して、乾式脱硫設備のコストダウンも行っている。
(画像は日揮公式ホームページより)
▼外部リンク
日揮 ニュースリリース
http://www.jgc.com/jp/DisplayHtml/view/182