大林組は、1月18日、トンネル覆工裏込め注入工法「スペースパック工法」で使用する、新たな注入材「ミルクタイプ」を開発したことを発表した。
「スペースパック工法」とは、フレキシブルな特性を持つ注入材を充てんすることで、背面空洞を確実にふさぎ、トンネル構造物の耐久性・安定性の向上を図る技術。
従来の小規模なトンネル補修工事においては、「モルタルタイプ」の注入材が使用されてきたが、調達する手間がかかること、材料費や設備費が割高となってしまうことがデメリットとして挙げられていた。
今回新開発した「ミルクタイプ」は、材料のセメント系結合材と特殊増粘材の粉体系材料2種類を、施工時に混ぜ合わせるだけ。昼夜を問わずいつでも、どこでも施工可能だ。
また、夜間施工時、「モルタルタイプ」を使用することで発生していた出荷割増費用や小口空積割増費用が不要となるうえ、材料費については、最大20%の経費削減が見込める。
さらに「モルタルタイプ」に比べて設備の小型化を実現。サイロ2基とミキサー1基を搭載したトラック1台をトンネル内に搬入すれば製造できるため、効率的な作業につながるという。
新たな「ミルクタイプ」の登場により、「スペースパック工法」は、高速道路などの長大トンネルだけでなく、比較的小規模な一般道路トンネル双方に適用可能となった。
現在、インフラの長寿命化を図るため、老朽化対策や耐震化が急ピッチで進められている。大林組は、今後も同工法の適用を積極的に提案し、社会インフラ整備に努めていく方針である。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/20170117_1