環境負荷低減に貢献する土壌改質材
鹿島建設は、10月31日、生息する魚類の生育環境に配慮した土壌改質材「泥CURE(デイキュア)」(商標登録出願中)を開発し、岩手県で施工中の閉伊川災害復旧水門工事に適用したことを発表した。
これまで、軟弱地盤の改質には、石灰やセメント、ペーパースラッジなどが採用されてきた。しかし、自然環境への負荷が否めないことから、生態系への影響を小さく抑制できると同時に、固化性能を有する土壌改質材の開発が急がれていた。
「泥CURE」の概要
「泥CURE」は、中性~弱アルカリ性の土壌改質材で、材料の中に重金属等の有害物質を含まないのがメリットだ。
軟弱地盤にこの泥CUREを添加・混合し、土壌を改質。24時間後には、建設機械が走行可能な強度に達する一方で、必要以上に固化することなく、「土」の状態を維持するため、再掘削や形質変更も容易に行える。
なお、同工事では、泥CUREを用い、河床の表層部の土と攪拌。その結果、改質後24時間で15トン級の普通ブルドーザが走行できる強度を確保でき、円滑なボーリング調査実施に成功したという。
様々な環境課題を解決
今回新開発した「泥CURE」は、施工箇所のニーズに応じて配合を最適化することも可能だ。
今後、同社は、環境への配慮が必要な水域の掘削や埋め戻し作業に、「泥CURE」を順次適用するとともに、環境課題の解決策を積極的に提案していく考えである。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201610/31c1-j.htm