汚泥処理
汚泥処理とは、下水処理過程で発生した汚泥(余剰汚泥)を無害化・減量するまでの工程の総称。具体的に、以下のような工程を経て行われる。
■汚泥処理の工程
・濃縮
重力や遠心力を利用して汚泥全体を濃縮することで、全体の体積を減少させる。
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・消化
汚泥内に含まれる有機物を、嫌気性細菌によって分解する。消化工程を挟むことにより、汚泥の安全性を高めると同時に全体の体積を減少させることが出来る。
消化は、消化タンク内で行われる。消化タンクには、有機物をきちんと消化するための加温設備やガス捕集設備など、様々な設備が備わっている。
汚泥はこの工程を挟むことにより、濃縮処理のみを施した汚泥よりも脱水・焼却しやすくなる。
※嫌気性細菌…酸素がない条件下で増殖する細菌。
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・脱水
濃縮、消化された汚泥を脱水することで、全体の体積を更に減少させる。
脱水処理を施すことによって、汚泥内の含水率は75%前後まで下がり、焼却処分が可能になる。この状態の汚泥は「脱水ケーキ」といわれる。
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・焼却
脱水ケーキ状態となった汚泥を、焼却処分する。焼却することで、汚泥に含まれる病原菌は完全に死滅する。
焼却後の灰は、レンガや建材の原料として再利用される。
このほか、汚泥処理施設によっては脱水後の汚泥(脱水ケーキ)を乾燥させる工程を挟む施設や、脱水ケーキを焼却せずに肥料へと加工する(コンポスト化する)施設なども存在する。