発破
発破(はっぱ)とは、火薬類(火薬、爆薬、火工品)を爆発させることで「建築物の破壊」「山や岩石の一部を破砕」などを行う行為全般を指す。
※火工品…火薬や爆薬を目的に応じて成型したもの。電気雷管や爆弾など。
昔は爆薬に火をつけ、爆破させる発破方法が主流だったが、現在は火の変わりに電気を用いる発破方法が一般的である。
アメリカなどでは、建築物を解体する際(爆破解体)の主な手段として発破が行われるが、日本では爆発に対する法規制が厳しいため、トンネル建設工事中に山や岩石を破砕するための手段として行われる発破が主流である。採掘現場や、ダムの建設現場などでも行われている。
発破を行うには、労働安全衛生法に規定された国家資格「発破技士」を取得した人間が現場にいなければならない。発破技士は爆薬の量、爆薬を仕掛ける場所、爆破の順番などを決定し、発破はその指示に従って行われる。
発破は対象物を無闇に破壊するのではなく、対象は確実に破壊・粉砕しつつ周りへの被害を最小限に抑えることを目的に行われる。そのため、爆破解体を行う場合には建築物が内側に向かって崩壊するように設計される。
発破は、主に以下の2種類の装薬方法を組み合わせて行われる。
・内部装薬
対象物に穴を開け、その穴に火薬類を詰めて発破する方法。
対象物の内部で爆発が起こるため、爆発時のエネルギーが外部に逃げにくく、エネルギーを効率的に使って発破できる。
・外部装薬
対象物の表面に火薬類を貼り付けて発破する方法。
内部装薬に比べて、エネルギーが逃げやすい。そのため、内部装薬が難しい箇所(鉄骨など、薄く細いもの)を破壊する際に、内部装薬の代案として使われることが多い。