一流の建設技術者は旅に出る【Vol.1】なぜ旅に出ることが必要か

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(15)一流の建設技術者は旅に出る【Vol.1】なぜ旅に出ることが必要か

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旅へ出る人建設技術者がさらに高みを目指し、自分を磨くためには、旅にでるとよい。忙しくてなかなか旅に出る時間がないという人も多いだろうが、よりより工事施工をするための修行と思って時間を確保するのがよいだろう。

今回は旅にでることのメリットを考えてみよう。
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登場人物
地場建設会社 昭平建設
青木建一 現場担当 25歳
今野真一 係長 30歳
武上幸一郎 工事課長 40歳
岩下厳五郎 工事部長 50歳
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なぜ一流の人は旅に出るのか

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岩下;青木君は建設技術者として自分を磨くために何をやっている?
青木;以前教えていただいたように本を読むようにしています。1ヶ月に1冊程度ですけれど。
岩下;1ヶ月に1冊でも十分だよ。大切なことはそれを継続させることだ。今野君はどうだ?

今野;私も本を読むようにしていますが、3ヶ月に1度は小旅行、年に1度は少し遠いところに旅に出るようにしています。これは学生時代からの趣味のようなもので、今でも続けています。
岩下;それはすばらしいな。私は人間を磨くためには読書と旅が必要だと思っている。読書が必要な理由は以前に話したように、自分の考えを持つことができること、そして集中力とバランス力を身につけることができることだ。一方、旅からしか学ぶことができないことたくさんある。今野君のもっとも思い出深い旅はなんだい?

今野;私は学生時代にスペインのサグラダファミリアに行ってきました。その壮大な建築物をみた影響で、建設業に進むことを決意しました。
岩下;私は学生時代に、ヒッチハイクをしたよ。
青木;ヒッチハイクって何ですか。
岩下;道路を歩きながら、通りがかった車に乗せてもらいながら旅をするんだ。四国一周したこともあるぞ。人のご恩とご縁を強く感じた旅だったよ。

旅に出ると語彙が増える

青木;僕はあまり旅をしないので、旅の良さがよくわからないです。
岩下;旅に出ると語彙が増えるぞ。
青木;語彙って言葉の数ですか。
岩下;そうだ。同じ環境にいると使う言葉や価値観が限られてしまう。そうするとどうしても考え方も同じようなことの繰り返しになるんだ。ところが旅に出ると思いがけない風景や人に出会う。そんな偶然の出会いが脳に刺激を与えるんだ。

今野;私は東北や九州に行ったときに周りの人たちの話す言葉がわからなかったんです。私の早口の言葉も理解してもらえないこともありました。そのときに使う言葉を言い換えたり、相手の表情から意味を理解する方法を知りました。そのことは、工事現場近隣の方々と話すときに役立っています。

岩下;今野君がいうように語彙が増えると様々な人とうまくつきあえるようになる。このことは現場技術者として必要な能力だ。

今いるところの良さがわかる

岩上;人はどうしても今の環境に不満をいいがちだな。
青木;僕は毎日現場が忙しく、休みなく働いているとついイライラしてしまいます。
岩下;ところが旅に出ると、今の環境の良さを改めて実感することができるんだ。特に海外にでかけると日本よりももっと過酷な環境で働いている人が多いことに気づく。そんな中でも笑顔で働いている人を見ると、自分はなんて小さなことで悩んでいたんだと思うものだよ。

今野;私がアジアに行ったときには、炎天下の工事現場で働く人たちに出会いました。しかも日本ほど、安全設備が十分でなく、ちょっと気を抜くとけがをするのではないかと思うような環境でした。しかし彼らはものすごい熱気で、この国を良くするんだという意欲にあふれていました。自分の現場環境の良さに改めて気づいたと共に、僕たちももっと熱い気持ちで工事をしなければならないと感じました

思いもよらないときに乗り超える能力が高まる

丘に立つ男性岩下;旅に出ると、これまでしたことのない体験をしたり、見たこともないことを見ることがある。それら旅先の体験や観察を自分の仕事や生活に活かすことで、自分自身を磨くことができる

青木;旅って楽しいだけではないのですか。
岩下;もちろん楽しいことも多いだろう。でも旅とは思いもよらないことが起きるものなんだ。それを乗り越えることで成長することができるんだよ。

今野;旅は本当に思いがけないことが起きますね。私はドイツで電車に乗り遅れて飛行機に間に合わず片言の英語で乗る予定の便を変更したことがあります。またイギリスのバーで、体の大きな男たちに囲まれてにらみつけられ怖い目に遭ったこともあります。そのときは一人旅だったので、自分で解決するしかなく、必死になって乗り切りましたね。そのことは、資材が遅れて工程が間に合わないときの対応方法や、現場にやくざが乗り込んできたときのやり過ごし方に役に立ちました。

岩下;そんなに遠くに行かなくても十分だよ。知らない街で1日何ができるか、いや何もできないかもしれない。そして何かに遭遇するかもしれないし、ただ退屈なだけかもしれない。それでも、そこで生身の体で何かを体験するわけだから、旅は面白いことなんだと僕は思うな。
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旅に出ると語彙が増え、今の環境に感謝でき、いざというときに乗り切ることができる。国内でも海外でも、1日でも10日でもよい。異なる環境に身を置くことが大切だ。

1年に数回は、旅に出る習慣を身につけたいものだ。

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降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。