ISOを施工管理で活かす【vol.2】ISOで原価と経費を下げる

更新726

  1. 建設・設備求人データベースTOP>
  2. 施工管理>
  3. 施工管理のテクニック>
  4. ISOを施工管理で活かす【vol.2】ISOで原価と経費を下げる

(10)ISOを施工管理で活かす【vol.2】ISOで原価と経費を下げる

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

作業着の男女ISOを活用して原価や経費が下がると、ISOによる目に見える効果があるようになる。
ISOを建設会社の経営に生かし、いかにして原価、経費を下げることができるかについて考えてみよう。

----------
登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
----------

ISO9001で原価を下げる

----------
青木:ISO9001を活用して原価を下げるってどうすればよいのですか。
ISOを運用することで書類が増え、かえって経費がかかっていそうな気がするのです。

武上:まずは要求事項「6.3インフラストラクチャー」にあるように、設備を適切にメンテナンスすることで、工事の中断や設備の交換をすることがなくなる
さらに要求事項「6.4作業環境」にあるように、日々の5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を工事現場で徹底して行うと、作業のムダがなくなり効率が上がり原価が下がるんだ。

青木:なるほどISO9001は品質を上げるためだけの規格だと思っていましたが、原価を下げることにもつながるのですね。

武上:さらに要求事項「7.1製品実現の計画」では、多くの場合施工計画を作成することを決めているが、当社ではここに実行予算書を着工2週間前までに作成することを求めているんだ。
実行予算書が検討不十分な状態で着工すると、原価のロスにつながりやすいからだ。
実行予算書の作成が遅れると、内部監査でも「不適合」と指摘される仕組みにしている。
青木:いつも今野さんに「早く実行予算書を作れ」と言われているので注意しています。ISO9001の仕組みだったのですね。

武上:要求事項「7.4購買」では、協力会社に見積もりを依頼する際には、3社以上から取ることを求めている。
青木:いつも3社から見積書をもらうことはたいへんですが、ようやく慣れてきました。
多くの会社から情報を得ることで、よりよい施工方法に気づくことができます。

武上:要求事項「8.2.3プロセスの監視、測定」では、実行予算書に示されたとおり発注され、出来高に整合した支払いがされているか、中間チェックをするんだ。
最終的には工事精算し実行予算との相違を確認する。
このように実行予算作成から、購買、中間チェック、工事精算までをISO9001の仕組みを用いて運用しチェックしているぞ。
----------

ISO9001で経費を下げる

----------
減少グラフ武上:原価を下げることはもっとも重要だけれど、現場経費や会社の経費を下げることで営業利益を向上させることができる。
これもISO9001の仕組みを用いて管理している。
青木:ISO9001の仕組みを用いて、現場や会社の経費も下げることができるのですか。

武上:そうだ。まず要求事項「5.5.1責任及び権限」にて役割分担を明確にする。
例えば社員の序列を明確にしておくと、いろいろな会議や地鎮祭、懇親会での席次を決める際に総務担当者が迷わない。
迷っている時間があるとムダな経費が発生する。

要求事項「5.5.3内部コミュニケーション」とは報連相(報告、連絡、相談)のことだ。
こまめに報告をしないために行き違いが生じ、必要な人に必要な内容を連絡(情報共有)しないと「聞いていない」とか「知らなかった」ということになり、ムダが発生する。
さらに相談が遅れると実際に現場でミスが発生してしまうものだ。
青木:報連相、どれもとても重要ですね。

武上:さらに要求事項「6.2.2力量・教育・訓練及び認識」では各自のキャリアプランを作成することをわが社のマニュアルで求めている。
キャリアプランとは、1年後、3年後、10年後にどのようになってほしいかを計画し、そのための教育計画を立てるというものだ。
自分の将来像が見えることでやる気が上がり効率的に仕事をすることができるんだ。
青木:私も金野さんとミーティングしながら私自身のキャリアプランを作成しました。10年後には武上課長のようになれるようがんばります。
----------

同じミスを繰り返さないことで、原価・経費が下がる

----------
ファイルを持つ男性武上:原価や経費が予算以上に使われていると「不適合」ということになる。
その場合は、要求事項「8.5.2是正処置、8.5.3予防処置」によって、原因を追究し、今後同じような原価ロス、経費ロスを起こさないように対策を立てる
このことで、ムダやロスといったぜい肉のない筋肉質の会社を作ることができる。
青木:会社にぜい肉がついているのですか。

武上:ISO9001の仕組みを用いて、是正処置、予防処置を繰り返しているとぜい肉がとれる。
ISOを活用してぜい肉、つまりムダな原価、経費がない会社を作ることができるんだ。
青木:同じミスを繰り返さないことで、会社が筋肉質になり、ムダのない会社になるのですね。そうすれば僕の給料は増えますか。
武上:会社の利益が増えると当然給料は増えるぞ。一緒にがんばろう。
----------


ISO9001の運用において、品質面だけでなく原価や経費に関連する内容を加えることで、日常的なチェックや、内部監査、マネジメントレビュー、さらには外部審査において、無駄なお金を使うことが「不適合」と指摘される。
それに対して是正処置、予防処置を実施することで会社のぜい肉が取れるようになる。
これを繰り返すことで、ISOの運用で原価・経費の削減を実施することができる

ISOの要求事項を意識しながら、より効果的なISOを運用するよう実践しよう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。