ISOを施工管理で活かす【vol.3】ISOで売上げを上げる

更新228

トップページに戻る
  1. 建設・設備求人データベースTOP>
  2. 施工管理>
  3. 施工管理のテクニック>
  4. ISOを施工管理で活かす【vol.3】ISOで売上げを上げる

(10)ISOを施工管理で活かす【vol.3】ISOで売上げを上げる

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

考えるビジネスパーソンISOを活用して原価や経費が下がるとともに売上げが上がると、ISOによる目に見える効果があり、業績が向上するようになる。
今回は、ISOを活用していかにして売上げを上げることができるかについて考えてみよう。

----------
登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
----------

ISO9001で売上げを上げる?

----------
青木;ISOを活用して売上げを上げることはできるのですか?いつも社長から売上げを上げろって言われているけれど、工事を担当する立場としてどうすればよいのかわからないのです。

武上;青木君がなにかものを買うとき、どんな基準で買うかい?
青木;品質に不安がないことでしょうか。
もしかしたら不良品かな、と感じると買いたくなくなります。
新聞などで、品質不良が報道されるような会社からは買いたくないですね。

武上;不安がなく安心・安全な商品を提供することは重要だね。
不安感が少しでもあると、人はお金を払おうと思わないからね。

青木;さらに価格に対してそれ以上の価値があると感じる時でしょうか。
武上;いわゆる「お値段以上」だね。
いくら安くて「安かろう、悪かろう」では買う人はいなくなるね。他にないかな。

青木;会社のもつイメージも大切です。
「ブラック企業」からは買いたくないですし、逆に障がい者をたくさん雇っているように社会貢献している会社には好印象を感じ、応援したくなります。

武上;青木君が言ったことをまとめると、
①品質に安心感があるとき、
②価格以上の価値があるとき、
③会社のイメージが良いとき
…にその会社の商品を買おうとする
ということだね。

青木;それってISOと関係あるのですか。
----------

お客様に安心感を与えるには

----------
夫婦と談笑する作業着の女性武上;大いに関係があるよ。
最初の①品質に安心感があるとき、について。
これは、ISO9001の目的そのものだね。
ISO9001を取得する目的は、お客様に世界標準の管理をしている会社であることを証明しようとするものだ。
品質マニュアルに書いてあることをきちんと現場で行うことで安心感を与えることができる。

青木;きちんと記録を作成することも重要ですね。
武上;いくらきちんと施工していると言ってもそれを証明するものがないと、安心感を与えることはできないから記録は重要だ。
青木;記録を作成するとき、面倒くさいと感じることが多いのですが大切なことなのですね。
----------

お値段以上?

----------
武上;次に②価格以上の価値があるとき、について話そう。
ISO9001には品質マネジメントの8原則というのがある。

1.顧客重視
2.リーダーシップ
3.人々の参画
4.プロセスアプローチ
5.マネジメントへのシステムアプローチ
6.継続的改善
7.意思決定への事実に基づくアプローチ
8.供給者との互恵関係

そのうち「1.顧客重視」には次のようにある。
「組織はその顧客に依存しており、そのために、現在及び将来の顧客ニーズを理解し、顧客要求事項を満たし、顧客の期待を超えるように努力すべきである。」
つまり、ISO9001では「顧客の期待を超えること」を要求しているんだ。
ISO9001を運用する中で、いかに期待を超える仕事ができるかを考えないといけない。

青木;工事現場で顧客の期待を超えるとは、強度を大きくするとか、寸法を大きくすることですか。

武上;強く、大きくすれば顧客の期待を超えるというわけではない。
それよりも建設のプロとしてお客様の将来のニーズに応えるような提案をすることの方が重要だ。
例えば、お年寄りが家族にいるのであれば、将来車いすを使うことを考えて廊下のサイズを大きくする、社員寮を作るのであれば将来の社員増に対応できるよう、増築しやすい設計にするなどのことが重要だ。
----------

会社のイメージをどう上げる?

----------
作業着の男性青木;ISOで企業イメージを上げることはできるのですか。

武上;ISO14001に沿って環境保全活動を推進することでイメージを上げることができる
しかしもっと重要なことは、法律を遵守することだ。
青木;コンプライアンスですね。

武上;ISO9001 7.2.3c)には、製品に適用される法令、規制要求事項を明確にして順守することが求められている。
またISO14001 4.3.2には、法的及びその他の要求事項を明確にし、さらに4.5.2には順守状況を定期的に評価せよ、とある。
まずは法律をきちんと守ること、その上で、イメージアップする活動をすること、これらをISOの仕組みを用いて運用することが重要だ。

青木;守るべき法律とは何ですか。

武上;建設業法で順守することが求められている法律は、建設業法に加えて、建築基準法、宅地造成等規制法、労働基準法、職業安定法、労働安全衛生法、労働者派遣法だ。
さらに工事内容に合わせて、河川法、道路交通法、宅地建物取引業法、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保法)なども重要だ。

青木;まずはどんな法律があるのかを知ることが大切ですね。勉強になりました。
----------

ISO9001、ISO14001の運用において、顧客の要求を満たすことは当然のこととして、さらにそれを超える活動を推進することで、売上げをアップさせることができる。ISOの要求事項がいかに企業業績に影響するかを認識し、全社員がそれを意識した活動をすることが、ISOを活かして業績を上げる方法である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。