ISOを施工管理で活かす【vol.1】儲かるISOの3原則

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(10)ISOを施工管理で活かす【vol.1】儲かるISOの3原則

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電卓を持つ作業着男性多くの建設会社でISO9001やISO14001を取得している。
しかし、ISO取得のメリットを生かしている建設会社は少数であることも事実である。

「ISO認証取得しても、書類が増えただけで何もいいことがない」
「審査の前に、担当者が書類を作成しているだけで、他の社員はISOに全く関与していない」
そしてついには
「こんなISOはもう止めたい」
などといった声が、ISO認証取得企業から聞こえることもある。

ところが一方で、
「ISOを構築し運用することで、社員が育ち、お客様の評価があがった」
「ISOをきちんと運用することで、原価が下がった」
という会社もある。

両者の違いを調査した結果、いくつかの特徴が見つかった。
今回より3回シリーズで、ISOを経営に生かし、いかにして業績アップにつなげるとよいかについて考えてみよう。

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登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
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ISOは会社に役に立っているのか

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ISOのファイル青木;当社はISO9001とISO14001を取得しているけれど、現場ではISOの書類を作成するのが大変です。
今野;僕もISO運用に苦労しています。そもそも、なぜISO取得が必要なのですか。

武上;ISO所得の目的は2つある。
1つ目はISO登録企業というブランド力を活かして売り上げアップにつなげることだ。
2つ目は、仕事の手順を明確にすることで、業務のムダをなくしたり、顧客不満足を減らすことで、原価や経費の削減につなげることだ。

青木;そもそも会社が儲かる、ということがよくわからないのですが。
武上;では、会社の業績について解説しよう。
下の式は、会社の業績を示すものだ。損益計算書という。

  売上げ(完成工事高)
―)変動費(工事原価)
_______________
  粗利益
―)固定費(販売費、一般管理費)
_______________
  経常利益

このうち、継続して多くの経常利益(例えば、売上げに対して5%以上)出している会社を、業績のよい会社という
さらに、この式を見てわかるように、経常利益を増やすためには、

1.売上げを増やす
2.変動費を減らす
3.固定費を減らす


の3つの方法がある。
つまり業績を上げる(儲ける)ためには、上記1、2、3を実践する必要があるんだ。

今野;なるほど、売上げを上げ、変動費、固定費を下げることで、経常利益が増えるのですね。

青木;そうすると、僕の給料は増えますか。
武上;もちろん、利益が増えれば社員への還元も増えるから給料も増えるぞ。
青木;では僕、給料を増やすためISOがんばります。
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儲けるための要求事項とは

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PCを見て驚き喜んでいる男性武上;この3つを「儲かるISOの3原則」という。
つまり、ISOを活用して業績を上げるには、この3原則の実践を、ISOの運用を通して実施するということになるんだ。

今野;具体的に、どのようにISOを運用すれば業績アップにつながるのですか。
武上;ISO9001の要求事項を分析してみよう。
下記の要求事項を、業績を意識しながら運用することで「儲かるISO」を運用することができるんだ。

1.すべてに効果的な要求事項
1) 品質方針(ISO9001 5.3)
2) 目標管理(ISO9001 5.4、6.2.2)
3) 内部監査(ISO9001 8.2.2)

2.変動費ダウンに効果的な要求事項
1)設備の管理(ISO9001 6.3)
2)5Sの徹底(ISO9001 6.4)
3)品質計画(ISO9001 7.1)
4)供給者の評価、選定(ISO9001 7.4)
5) 施工管理(ISO9001 7.5)
6) 実行予算書のチェック、工事精算書のチェック(ISO9001 8.2.3)
7) 儲かる不適合の定義(ISO9001 8.3)

3.固定費ダウンに効果的な要求事項
1) 責任と権限(ISO9001 5.5)
2) 報連相の徹底(ISO9001 5.5.3)
3) 教育、訓練(ISO9001 6.2.2)
4) 是正処置、予防処置(ISO9001 8.5.2、8.5.3)

4.売上げアップに効果的な要求事項
1) 顧客重視、顧客満足度の把握(ISO9001 5.2、8.2.1)
2) 顧客要求事項の把握(ISO9001 7.2.1)
3) 顧客開拓戦略(ISO9001 7.2.3)
4) 設計、開発(ISO9001 7.3)

青木;なんだか難しいですね。

武上;これらの要求事項を、「業績アップ」を意識してシステム構築し、運用することが、「儲かるISO」の第一歩だ。
そうすると無駄や書類を作成することはなくなるぞ。
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ISO9001やISO14001の運用において、売上げ、変動費、固定費について意識しならが行うことで「儲かるISO」を運用することができる
ISOに関連する書類や会議をする目的を意識しながら、より効果的なISOを運用するよう実践しよう。

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降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。