公共工事における新技術の活用~品質や安全性、環境とコストダウンへの寄与~ | 建設・設備求人データベース

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公共工事における新技術の活用~品質や安全性、環境とコストダウンへの寄与~

2016年05月18日

国土交通省の直轄工事における新技術活用率が最大となりました。

 

新技術活用の意義

建設業界でも日々技術革新が進んでいます。新しく有用な技術が活用されることで、公共工事等における経済性や安全性の向上、環境保全にも役立ちます。

 

しかし、民間企業が開発した新技術について発注者や他の受注者が情報を得るのは簡単ではありません。そのため、有用であっても使われずに埋もれている技術が多くあります。

 

そこで、国土交通省では、社会に潜在する有用技術の情報共有化と活用促進を図るためNETIS(ネティス)を運用しています。

 

NETISとは

NETISは、「新技術情報提供システム」のことで、New Technology Information System の頭文字を取ってNETISと称しています。

 

ここには、民間事業者等によって開発され、実用化している技術であり、従来技術に比べて活用の効果が同程度以上と見込まれる技術を登録することができます。

 

活用された技術については、優位性を確認するために従来技術との比較調査が行われます。耐久性等の確認が必要な技術やある程度時間が経過しないと効果が表れない技術については、一定の時間が経過した後で追跡調査が行われます。このようにして活用効果の確認を行っています。

 

新技術活用の増加

NETISに登録された技術を活用すると、従来技術よりも同程度以上の効果を発揮することができるため、施工者が公共工事において新技術の活用を提案し、実際に工事で活用された場合は、活用の効果に応じて総合評価落札方式や工事成績評定での加点の対象となります。

 

具体的には、(1)入札契約の総合評価方式において、施工者が新技術に関する技術提案を行った場合に加点されます。また、(2)施工者からの提案により、直轄工事で新技術を活用した場合に、工事成績評定で加点されます。

 

このような背景もあり、新技術の活用が増えています。平成26年度には新技術活用件数17,883技術、活用率45.8%と最大になりました(図表-1)。

 

図表-1 新技術活用の推移       出典:国土交通省「平成26年度新技術活用状況について

 

平成26年度で多くの新技術が使われた工種は、「コンクリート工」、「仮設工」、「土工」、「共通工」、「道路維持修繕工」などです(図表-2)。

 

図表-2 活用件数の多い工種_b
       出典:国土交通省「平成26年度新技術活用状況について

 

 

新技術への期待

新技術の活用には、以下の5つの方法があります。

 

(1)施工者希望型:入札契約の総合評価方式における技術提案又は契約締結後における施工者からの技術提案申請に基づき、施工者が新技術を活用します。

 

(2)発注者指定型:直轄工事における現場ニーズ、行政ニーズにより必要となる新技術を発注者の指定により活用します。

 

(3)試行申請型:事後評価未実施技術を対象に、NETIS申請者の試行申請に基づき試行を行います。

 

(4)フィールド提供型:現場ニーズ等により、各地方整備局等がNETIS申請者から新技術提案募集を行い、フィールドを提供して技術を活用します。

 

(5)テーマ設定型(技術公募):現場ニーズに基づき設定した技術テーマに対し、応募のあった技術を現場で活用し、評価することで、新技術の現場導入及び評価の加速化に取り組みます。

 

このような新技術の活用により、公共工事の品質確保と利用者である国民・地域住民の安全、環境の保全、国土の整備に寄与することが期待されています。

 

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