工場と地域の共存を実現する騒音と振動の規制 | 建設・設備求人データベース

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工場と地域の共存を実現する騒音と振動の規制

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2014年05月28日

工場では、大型の設備を使用するため、周辺に騒音や振動を与えることがあります。これを規制するのが、騒音規制法と振動規制法です。

騒音・振動苦情の実態

平成23年度の騒音に関する苦情は15,944件で、そのうち建設作業が5,206件、工場・事業場が4,761件となっています。工場・事業場関係の騒音が全体の3割を占めています(図表-1)。

       出典:環境省「平成23年度騒音規制法施行状況調査について


一方、振動に関する苦情は、3,222件でした。建設作業2,046件、工場・事業場589件、道路交通293件の順となっています。こちらは、工場・事業場関係が18%を占めています。

騒音規制法と振動規制法は、工場や事業場に起因するものだけでなく、建設工事や自動車・交通についての規制も定めています。

騒音規制法・振動規制法の対象工場

騒音規制法の対象となるのは、次のような著しい騒音を発する特定施設を持つ工場です。

①金属加工機械
②空気圧縮機及び送風機
③土石用又は鉱物用の破砕機、摩砕機、ふるい及び分級機
④織機
⑤建設用資材製造機械
⑥穀物用製粉機
⑦木材加工機械
⑧抄紙機
⑨印刷機械
⑩合成樹脂用射出成形機
⑪鋳型造型機

平成23年度末時点で全国には、1,516,349の特定施設と特定工場は209,947の特定工場が存在しています。

騒音と振動の基準値

都道府県知事は、住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を指定することができます。また、指定された地域では、区域や時間帯ごとの騒音と振動の基準値が定められています。

騒音に対する指導の状況

平成23年度の指定地域内の特定工場等に係る騒音苦情は1,066件でした。
騒音規制法に基づいて、立入検査686件、報告徴収212件、騒音測定339件が行われます。測定の結果、基準を超えていたものが185件であり、改善勧告4件、改善命令1件が行われました。

音や振動に対する対策

このような音や振動を防ぐために、遮音・吸音・防振などの手法があります。
遮音は、騒音を外部に伝えないようにするために遮音性能を持つ材料で工場の壁や屋根を構成することです。
吸音は、工場内部の壁や天井に吸音材を用いて工場の外に伝わる騒音を吸収します。
防振は、防振ゴムやバネを用いて機械の振動を周辺に伝えないようにします。

音源と建物への対策

遮音・吸音・防振を用いた具体的な方法として、音源への対策と建物への対策があります。

音源に対する対策としては、音源を防音ボックス等で囲う方法があります。この場合は、出入口や換気口からの音漏れに注意します。また、設備の制振、防振対策を行います。

建物への対策としては、工場の壁や天井に遮音材や吸音材を用いる方法があります。こちらも出入口や換気口への音漏れ対策が重要です。工場周辺への遮音対策として、敷地外周部での防音壁の設置なども効果があります。

多くの工場にとっては先に工場が立地しており、後から住宅が近づいてきた場合がほとんどです。しかし、現在では、このような対策を活用して地域の快適な環境づくりに協力することが求められています。

【用語解説】

■騒音の大きさ
騒音の大きさは「デシベル(dB)」で表されます。以下のような状態が目安になります。
120dB:飛行機のエンジンの近く
100dB:電車が通るときのガードの下
80dB:電車の車内
60dB:静かな乗用車
40dB:図書館

■透過損失
材料の遮音性能を表す数値です(単位は「dB」)。入射音の大きさと、材料を通って入った透過音の大きさとの差で表します。値が大きいほど遮音性能が高いことになります。透過損失は材料の質量に比例し、このことを「質量則」といいます。

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