維持管理だけでも予算が足りない ~老朽化が進むインフラの実態~ | 建設・設備求人データベース

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維持管理だけでも予算が足りない ~老朽化が進むインフラの実態~

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2013年06月24日

昨年12月2日、中央自動車道の笹子トンネルで天井板崩落事故が発生しました。この事故をきかっけに、インフラ老朽化の実態が大きくクローズアップされています。インフラの機能不全による生活への影響や事故や災害等を引き起こす可能性が懸念されています。


インフラ老朽化の実態

         出典:国土交通白書2012


我が国では、高度経済成長期に社会資本が集中的に整備されました。これらのインフラは、建設後30~50年の期間を経過しているため、今後急速に老朽化が進行すると想定されています。
国や自治体が管理するインフラの数は膨大で、たとえば道路橋は70万か所、トンネルは1万か所、下水管の長さは43万キロに上ります。
約20年後の平成42年時点で、建設後50年以上経過するインフラの割合は、道路橋で約53%、河川管理施設である排水機場・水門等では約60%、下水道管きょは約19%、港湾岸壁が約53%と予想されています。


急増する維持管理費用

これまでは、行政も建設業界もインフラの新設を重視し、損傷が激しくなった部分が見つかれば、その都度補修をするという対応を繰り返してきました。トンネルや橋の点検を行っていない、図面の保管ができていない自治体もあります。
その結果、安全性の問題で通行止めになっている道路橋は2012年4月時点で217か所に上り、通行規制されている橋はさらに多く存在します。
今後、高度成長期に大量に建設された構造物が一気に老朽化する時代を迎えるため、これまでのように一時しのぎの対策を続ける訳にはいきません。
国土交通省の推計によれば、2037年度には国土交通省が所管する道路、港湾、空港、公共賃貸住宅、下水道、都市公園、治水、海岸などの社会資本の維持管理・更新費が現在の建設投資総額を上回ると予想されています。つまり、これまでのインフラを維持しようとすると、新設を行うことができない時代がやってくるのです。


大切な予防保全

既存インフラを効率的かつ適切に維持・更新していくためには、「予防保全的管理」が重要です。損傷の早期発見・補修によって施設全体の長寿命化を図ることができます。
 また、インフラの選択と集中も必要です。災害リスクや経済基盤への影響が大きい社会資本について、重点的に整備を行うことが大切になります。


これからのインフラ管理

これからのインフラ管理手法として、指定管理者、包括的民間委託、民間による社会資本活用、PFIの推進、社会資本の複合化・集約化等が期待されています。

① 指定管理者制度
地方公共団体が指定する指定管理者が公共施設の整備・管理を代行する地方自治法上の制度です。民間企業や各種法人その他の団体が指定管理者となることができ、施設全体の維持管理や利用料金の設定等を代行します。
民間事業者等が有するノウハウを活用することで、利用者サービスの向上や財務内容の改善等を図ることをねらいとしています。都市公園や公営住宅等の管理で活用されています。

② 包括的民間委託
主に下水処理場の維持管理に活用され、21年度は118の団体に委託が行われています。詳細な業務運営を定めず、性能発注を行うことで、民間の創意工夫を活かして効率的なサービスを提供します。
下水道管路施設の調査、修繕、改築等についても包括的民間委託の推進が検討されています。

③ 民間による社会資本活用
インフラを民間に開放することにより、既存のストックを有効活用する手法です。道路空間や河川空間の利用制限を緩和し、これらの空間を民間に開放します。行政財産の商業的利用を可能にすることで、民間からの収益還元によるインフラの整備・管理や地域活性化につながることが期待されています。

④ 社会資本の複合化・集約化
人口減少の時代となり、必要性が薄れたインフラは廃止・集約することも必要となってきます。
文化施設・公民館、公営住宅等の整理・複合化、下水道と農業集落排水施設、漁業集落排水施設との接続、各汚水処理施設から発生する汚泥の集約・共同処理なども進められています。




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