建設業界4社らからなる杭頭免震構造研究会は28日、明治大学の小林正人教授による指導のもと「拡頭杭免震構法」を開発し、日本ERI株式会社の構造性能評価(ERI-K15015)を取得したことを明らかにした。
「拡頭杭免震構法」は、杭頭部の頭部径を拡げた上で、その頭部に免震部材を直接設置。さらに「つなぎ梁」で杭頭部を連結し、免震層の一体化をはかる新たな免震構法だ。
従来の基礎免震構造は耐震構造と比べ地震による建物の損傷や揺れに対する効果が高いものの、免震部材の上下に基礎梁を配置した免震ピットを設ける仕組み上、工期の長さや建設コストの高騰が課題となっていた。
一方今回の「拡頭杭免震構法」ではその構造上基礎工事を簡略化することができ、工期の短縮とコストの削減を同時に実現。合理的かつ経済的な設計が可能となった。
また、建物の用途や構造形式、規模を問わず幅広く適用可能である点、つなぎ梁と拡頭杭との接合形式や免震部材の選択肢が多い点、告示免震に対応した設計も可能である点などメリットも大きい。肝心の免震効果も、これまでの基礎免震構造と同等のレベルが得られるよう工夫されている。
なお今回発表を行った杭頭免震構造研究会は、青木あすなろ建設株式会社、安藤ハザマ、西松建設株式会社、株式会社長谷工コーポレーションなどによる共同研究会。今回構造性能評価の取得と並行し、参加企業共同での特許ならびに商標登録申請もあわせて行っている。
同研究会ではこのたび「拡頭杭免震構法」が構造性能評価を取得したことを踏まえ、今後も免震構造の普及をはかり、社会基盤の拡充に努める考えだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
青木あすなろ建設 ニュースリリース
http://www.aaconst.co.jp/
安藤ハザマ 新着情報
http://www.ad-hzm.co.jp/info/2016/pre/20160728.html
西松建設 新着情報
http://www.nishimatsu.co.jp/news/news.php?no=MjAx
長谷工コーポレーション プレスリリース
https://www.haseko.co.jp/