駐車場の設置基準見直し
今月12日、政府は建築物である路外駐車場に設ける換気装置の設置基準を緩和するため、「駐車場法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定した。変更点は、換気装置の能力に関する記述で、大幅にその規制が緩和された。その条文を以下に引用する。
現行
第十二条 建築物である路外駐車場には、その内部の空気を一時間につき十回以上直接外気と交換する能力を有する換気装置を設けなければならない
改正案
第十二条 建築物である路外駐車場には、その内部の空気を床面積一平方メートルにつき毎時十四立方メートル以上直接外気と交換する能力を有する換気装置を設けなければならない
改正の背景
現行基準では路外駐車場に対し、1時間につき駐車場の10倍の容積の換気能力を有する装置の設置が義務付けられているが、近年、自動車の環境性能は飛躍的に向上し、次世代自動車の普及も進んでいる。以上の点を考慮すると、現行基準はこうした状況を踏まえたものとはなっていない。
もうひとつの要因に、現行基準が駐車場の容積を単位として設定している点である。駐車場の天井高を高く設計した場合には、その分高い換気能力が要求されてしまうという問題があった。このため、国交省では、「路外駐車場の換気基準に関する検討委員会」を開催し、運用実態に即した制度への議論を進めていた。
改正案の概要
委員会によって取りまとめられた結論はふたつ。1.換気装置の能力は現行基準で要求している能力の半分とする。これにより、駐車場の容積の10倍から5倍の基準に緩和される。2.駐車場の容積ではなく、床面積を単位として規制を設定する方式とする。
この結論に基づき、今般、駐車場法施工例の一部を改正し、建築物である路外駐車場に設ける換気装置の設置基準を緩和することとなった。この法令の公布日は7月15日。施工日は8月1日となっている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
国土交通省 プレスリリース
http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi09_hh_000032.html