光や温度、湿度、養分などを管理して、室内で野菜を安定的に栽培する植物工場。経済産業省と農林水産省が植物工場の普及のために補助金を出したため、国内に植物工場が増えている。
国内で蓄積したノウハウをもとに丸紅、昭和電工、千代田化工建設が7月7日、植物工場の海外展開を進めていくと発表した。
3社が海外展開を進める植物工場は、太陽光を使わずに環境を制御し、計画的に生産を行う「完全人工光型」の施設。日照不足や気候の変動が激しい地域でも安定した栽培ができるのが特徴だ。
昭和電工が開発した生育が早く、優れた収穫量が期待できる「S法(SHIGYO法)」を採用する。
S法とは、植物の生育に最適化な赤色光と青色光を一定間隔で交互照射し、野菜の成長を早め、電気代を抑える栽培法。照射するLED光の波長と強度を制御することで、野菜の味や硬さをコントロールすることも可能だ。
各社の役割としては、昭和電工が「S法」と栽培システムを提供。千代田化工建設は国内や宇宙ステーションでの作物栽培の実証研究で培ったノウハウを活用し、設計・調達、管理を行う。丸紅は植物工場の推進と市場開拓を担当する。
海外進出第一弾として、アラブ首長国連邦最大の財閥のアルグレアグループと共同で、来年1月からドバイにて植物工場の実証プラントを導入する。アルグレアグループが1年間のフィールドテストを行って栽培ノウハウを蓄積するとともに、中東におけるマーケティングを実施。商業用の大型工場の導入も計画している。
3社はドバイの実証プラントを、顧客向けのショールームとしても活用し、中東を中心に海外展開を推進していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
千代田化工建設株式会社のプレスリリース
https://www.chiyodacorp.com/jp/media/2016/#all