西松建設、大林組、大阪ガスの三社は、7月1日、優れた耐酸性と耐熱性を有する低炭素型材料「ジオポリマーコンクリート」を施工現場で打ち込む方法を確立し、今回日本で初めて現場で施工することに成功したことを明らかにした。
「ジオポリマーコンクリート」は、次世代のコンクリートとして、期待が寄せられている。しかし、固まり始める時間が早く、粘性が高い等の理由により、施工現場で打ち込むことが難しいとされ、これまでは、工場で製造する二次製品のみで活用されていたという。
三社はまず、ジオポリマーコンクリートの材料となる「特殊配合ジオポリマー溶液」を開発。コンクリートが固まり始める時間を、約1.5倍延ばすことに成功した。
また、「特殊配合ジオポリマー溶液」以外の材料については、あらかじめ混合した「プレミックス材」として現場搬入することで、現場作業の簡略化を実現。
さらに、現場練り型ミキサを用いて現場で直接ジオポリマーコンクリートを製造する方式を採用し、材料の混合割合を最適化。打ち込みに必要な作業時間を確保し、常温での固化を可能にしたうえ、セメントコンクリートと同等の強度も得ることができたという。
ジオポリマーコンクリートは、通常のセメントコンクリートと比べて製造過程で発生するCO2量を80%程度削減できることから、環境性の面でもメリットが多い。
三社は、今回の現場施工による成功を受け、今後も実用化に向けた技術改良や「ジオポリマーコンクリート」の普及に取り組み、低炭素社会の実現に貢献していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
西松建設 プレスリリース
http://www.nishimatsu.co.jp/news/
大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20160701_01
大阪ガス プレスリリース
http://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2016/