地震によるリスクを施設全体で評価
大成建設株式会社は、地震による施設全体の被害を短期間で、簡易に評価できる「生産施設向け総合地震防災システム」を開発した。
建物被害から事業継続リスクを判定
同社は、平成10年に地理情報システムを用いた「総合地震防災システム」を開発。
地震による建物の損傷、地震対策の違いによる被害程度の差違、復旧までの日数など経済的な損失も判定、事業継続に関するリスクの評価に活用してきた。
しかし、これまでは建物の躯体と建築設備のみを対象とし、事業継続に必要な生産装置は含まれていなかった。
そこでより精度を上げるために、自社で保有する半導体生産ライン情報データベースを活用。生産装置を含む施設全体の地震リスクを、短期間で簡易に評価できるシステムに改善した。
新システムの特長
装置の振動特性測定結果とレスポンス解析データや、生産ラインの構成、復旧状況などの生産ライン情報を新たに加え、これらを元に生産施設の被害と復旧評価モデルを構築。地震リスクを総合的に評価可能とした。
生産再開までにかかる期間は、生産施設の運用状況に基づく復旧工程を想定し、地震対策による損失低減効果と合わせて評価を行う。
また、地震対策導入における費用対効果について、物的損失だけでなく、営業損失など多角的に判定し評価する。
今後は、これを活用しながらデータベースの改善を図るとともに、半導体生産施設以外の一般的生産施設にも適用できるよう機能を拡張し、事業継続のための支援を広げる計画だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/