毎年4月最終週の水曜日は「国際盲導犬の日」。この日を前に住友林業株式会社が設計・施工を担当した関西盲導犬協会の新犬舎が完成した。
同社グループは、住宅以外の分野においても木造建築物の供給拡大に注力。住宅事業で培った木の良さや魅力を活かした提案を行い木造の犬舎が実現した。
京都府亀岡市長および多くの関係者が列席した竣工式典では、国内でも珍しい木造の訓練棟が、より良い盲動犬を育成できる環境として整備されたことに多くの期待が寄せられたという。
現在、全国にある盲導犬の訓練施設の多くはRC造や鉄骨造だ。
盲導犬は生後2か月から1歳になるまでの間、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアの一般家庭で育てられる。その後、訓練犬として施設に入所し、盲導犬となるための訓練を受ける。訓練が終わり盲導犬になると、視覚障がい者との共同訓練を経て家庭での生活が始まる。
訓練犬が、急な環境変化にもなじみやすく、スムーズに訓練を進められることが、より良い盲導犬の育成につながるという。
このため、現場スタッフから訓練犬が順応しやすい環境に整えたいとの要望があった。
自然豊かな周辺環境にもなじむ建物は、延べ床面積549.79平方メートル、構造は木造の平屋(1部2階建て)。光と風をコンセプトに開放感のある大空間が特長だ。
内部は、ひのき集成材の柱、腰パネルは国産杉と、木質化にこだわる。一部の床には杉角材を敷き、木のぬくもりを室内に広げた。
通常、訓練犬は訓練以外の時間を個々の柵内で管理する。しかし、同施設では、この大空間で自由に過ごさせることで、生活の場に慣れるように工夫するという。
また、一般の来訪者も、訓練の様子を見学できる、カウンター越しのスペースも設置した。
▼外部リンク
住友林業株式会社 プレスリリース
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