付室内へ煙が侵入することを防ぐ
大成建設株式会社は3月31日、『加圧排煙用薄型圧力調整ダンパー』を開発したと発表した。
加圧排煙設備は給気ファンを使って空気を送り込んでいき、圧力を高めることによって付室内へ煙が侵入することを防ぐという仕組みとなっている。
『加圧排煙用薄型圧力調整ダンパー』
しかしこれまでは防火扉に過剰な圧力がかかってしまい、扉が開放しにくくなるという課題があった。これを解決するためには圧力が上昇することに応じて羽根が回転していき、空気流出口を作りだす圧力調整ダンパーが有効だ。
ダンパーは平常時、閉鎖状態であるが火災が起こった場合には、給気ファンが作動することによって羽根が回転し空気を流出。扉に掛かる圧力を低減させることが可能だ。
もし火災が大きくなり廊下が高温になってしまった場合には、給気ファンを作動させた状態であっても羽根が閉鎖し、漏煙を防ぐことができる。
しかしこの方法では羽根や錘機構の稼働が大きいため、装置の奥行が大幅に必要となってしまい、付室の床面積を減らすことになってしまっていた。
そのため圧力調整ダンパーの羽根を小さくし、羽根の回転機構を工夫することによって、壁内への設置が可能な厚さ10cmの『加圧排煙用薄型圧力調整ダンパー』を開発した。
今後は防火対策と安全な避難を実現する装置として、オフィスや公共施設などに提案していく。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2016/