清水建設は、特定天井対応のローコストかつ短工期の新たな耐震天井構工法「リニアブレース」を開発した。
万が一脱落すると重大な危害を生じるおそれがある天井。日常的に人が立ち入る場所に設置され、高さが6メートル以上、水平投影面積が200平方メートル以上、天井面構成部材等の単位面積重量が2キログラム/平方メートル以上の吊り天井と定義されている。
建築物に特定天井を設置する場合、国土交通省が定める技術基準(告示第771号)に基づき、構造耐力上の安全性を担保する必要があり、各メーカーが対応する天井を開発している。
しかし、一般の吊り天井に比べてコスト高になりやすいため、鉄骨下地に天井ボードをじかに貼り付ける「ぶどう棚天井」で代用することもある。このぶどう棚天井も場合によっては、コストや工期が膨らむ課題があった。
そこで同社は、実用的なブレース密度を確保しつつ、一般の吊り天井の2~3倍程度のコストで、工期を延ばさず施工できる新たな耐震天井構工法・リニアブレースを開発した。今後、同工法を特定天井の標準仕様として、設計施工案件に適用を進めていくという。
リニアブレースは、専用の固定金物により、ブレース材の上端と下端をそれぞれ構造躯体と天井ボードに固定。吊り天井の剛性を高める耐震天井構工法。直接連結することにより、建物の揺れと共振しにくく、かつ剛性の高い吊り天井を構築できる。
剛性が極めて高いことから、天井内部の気密性を高め、省エネルギーや天井裏からの塵埃の飛散防止、音楽ホール等の音響性能の向上といったメリットもある。
同工法の構造安全性は、国土交通省が規定する簡易スペクトル法に基づく構造計算により検証した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
清水建設株式会社 プレスリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2016/2015064.html