建物全体をジャッキアップ、免震装置16基を交換
清水建設は2月29日、大阪市北区の「大阪市中央公会堂」の東洋ゴム工業製免震装置の交換作業を開始した。耐震性能の改ざん問題を受けて、大阪市が中央公会堂に使用されている免震ゴム62基のうち、東洋ゴム工業製の16基の交換を決定したもの。
交換はまず、免震装置設置階に192台のジャッキを設置し、免震装置と建物躯体を結合しているボルトを緩め、重量約3万1,200トンの建物全体を、9ミリジャッキアップすることから行われた。
その後、建物躯体と免震装置の間に生じるスペースを利用して既設の免震装置を撤去し、代替装置の据え付けを1基ずつ行っていく。
ジャッキアップは2月24日に行われ、2月29日から交換作業がスタートした。3月2日時点ですでに5基の交換が完了しており、残り11基の交換も3月15日までに完了する予定だ。
工期中に中央公会堂の利用に支障がでない工法を考案
交換工事は清水建設が考案した「免震装置交換工事用の免震機構」によって、工事期間中も市民の利用に影響がでないよう配慮されている。中央公会堂及びレストランは、通常通り利用可能だ。
大阪市中央公会堂は辰野金吾・片岡安の実施設計、清水建設の前身である清水組によって1918年に完成した。赤れんがの外壁とステンドグラスの窓で構成される、ネオルネッサンス様式の外観が特徴で、国の重要文化財に指定されている。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
清水建設株式会社のニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release.html