西松建設は、供用中のRC部材にあと施工でせん断補強を行う工法である「サイトフィットネイリングバー(SNB)R」工法を開発。一般財団法人土木研究センターから建設技術審査証明を取得した。
供用中のRC部材のせん断補強をあと施工で行う場合、対象RC部材の壁厚や配筋ピッチ等が竣工図と実際の現場で相違する場合が多い。そのため作業スペースや作業日程に制約を受けることが問題だった。
新たな工法は、現場施工での適用性を検討し、現地寸法に合わせた加工が容易で、汎用工具での施工が可能なことなどを考慮して開発した。
同工法は、RC部材表面からハンマードリル等で削孔を行い、その孔内に専用のモルタルカプセルである「SNBカプセル」を挿入。せん断補強用の特殊ナット定着型鉄筋のSNBを打ち込んで施工する。
「SNBカプセル」の硬化後は、SNBとRC材が一体化することでせん断補強が可能となる。
同社は、同工法の適用範囲を広げ、これを用いたせん断補強工事の実績を重ねる計画だ。
汎用のネジ節鉄筋の先端に、特殊ナットをネジ込みと樹脂接着剤で一体化させるため、現場で発生する寸法変更などにも容易に対応可能。
ハンマードリル等の汎用機械を用いた1段削孔で施工できるため、容易かつ迅速な施工が可能。
定着材に専用モルタルカプセルを使用し、注入用プラント等の大型設備が不要。狭い現場や小規模な工事にも適する。
技術審査証明での評価ポイントは、次の3点で、SNBは地中構造物のRC部材片面からの補強施工に適用でき、容易かつ迅速な施工が可能。
部材厚300ミリメートルの薄いものから1000ミリメートルまでの補強が可能。
従来よりも配置後のRC部材のせん断耐力が優れることなどだ。
(画像はプレスリリースより)
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西松建設株式会社 プレスリリース
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