戸田建設は8日、低炭素型のコンクリート「スラグリート(R)」を西松建設と共同で開発したと発表した。
このスラグリート(R)は、一般のコンクリートと比較して強度発現性能や耐久性能を同等以上としつつも、温度が原因となるひび割れに強く、かつコンクリート製造時におけるCO2排出量を70%程度削減することに成功した特殊なコンクリート。
コストの面でも、スラグ置換率70%程度の場合は一般のコンクリートとほぼ同等(戸田建設による試算、条件により異なる)とのことだ。
スラグリート(R)のポイントは、セメント質量の70~90%を高炉スラグ微粉末で置換し、セメントの使用量を極めて少なく抑えたこと。その結果、セメントの水和反応で生じるコンクリート温度の上昇を抑制し、マスコンクリート構造物で温度ひび割れが生じるリスクを低く抑えることに成功した。
また施工の面に際しては専用の特殊化学混和剤を添加することで、高炉スラグ微粉末を大量に用いた場合でも施工性を確保することが可能だ。あわせて戸田建設では国立研究開発法人土木研究所と協力し、設計・施工マニュアル(案)を公開。施工に関わる実務者が、一般のコンクリートとの差異等を確認しつつ作業を行える体制を整えている。
戸田建設では今後温度ひび割れ対策としてスラグリート(R)の現場投入を進めるとともに、コンクリート製造時におけるCO2排出を削減可能である面より、低炭素型社会へ向けた取り組みとしてもスラグリート(R)を提案していく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
戸田建設 プレスリリース
http://www.toda.co.jp/news/2016/20160208.html