奥村組は1月28日、せん断補強鉄筋「ベストグラウトバー」を用いた耐震補強工法を開発し、土木研究センターの建設技術審査証明を取得(建技審証第1506号)したと発表した。
六角ナット定着型せん断補強鉄筋「ベストグラウトバー」を用いたもので、既存鉄筋コンクリート構造物(以下RC構造物)の耐震補強工事において、部材の片側からの補強でも効果があり、施工も簡単な工法である。
背面に地盤などがあるRC構造物の耐震補強工事では、部材の両側からの施工ができない。このため片側から削孔した孔内に鉄筋を挿入し、モルタルを詰める工法が採用されるのが一般的だ。
しかし補強箇所が多いと削孔数が増え、RC構造物の主鉄筋を損傷するリスクがある。さらに要求されたせん断補強効果を得るためには、全ての孔内にモルタルを充塡する必要があり、上向き姿勢などでは作業効率が悪くなるとの指摘もあった。
新開発の耐震補強工法は、これらの課題を解決するために六角ナット定着型せん断補強鉄筋「ベストグラウトバー」を用いて、部材の片側から耐震補強が行えるようにしたもの。
「ベストグラウトバー」は、鉄筋の片側をネジ切りおよび斜めに切断加工し、先端部に定着体として六角ナットを装着したのが最大の特徴。円滑な鉄筋取り付けを実現するとともに、RC構造物の奥側主鉄筋の手前までの挿入でも補強できることから、削孔による奥側主鉄筋の損傷リスクも大幅に低減する。
充塡材には可塑性モルタル(無機系無収縮プレミックスモルタル)を採用。モルタル充塡や鉄筋挿入時に専用治具を用いれば、上向きの姿勢でも確実な施行が容易に実行できるため、安定した品質が確保できる。
(画像はニュースリリースより)
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株式会社奥村組のニュースリリース
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