原発汚染水を除去する充填材を開発
鹿島建設は、1月26日、東京電力、東京パワーテクノロジーと共同で、福島第一原子力発電所における海水配管トレンチへの長距離水中流動充填材「Hilo」(ヒーロー)を開発したことを発表した。
同発電所における大きなリスクの一つは、海水配管トレンチ内部に滞留していた汚染水。早期除去が急務であったが、長期の安全性、安定性の観点から、作業に伴う被ばく線量を最小限に抑えつつ、汚染水との置き換えを完了可能とする方法の開発が大きな課題であったという。
「Hilo」の概要
「Hilo」は、水中100メートルの距離を12時間流動させても、材料分離や品質の低下が生じない特殊なセメント系の充填材だ。
この充填材を、福島第一原子力発電所の海水配管トレンチの内部充填工事に適用。新たに打設孔を設ける作業をすることなく、打設箇所を、既設の立て坑のみの作業で済ませることが可能となった。
なお、3社は、同発電所構内に製造プラントを設置。随時、製造、供給ができるシステムを構築した。
汚染水除去への課題解決に前進
今回3社は、作業員の被ばく線量、および汚染水の漏えいリスクを最小限にとどめつつ、迅速で確実な施工を実現した。
なお、海水配管トレンチ内部への充填は、2号機が2015年7月10日、3号機が同年8月27日、4号機が同年12月21日に既に完了ししている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/
東京電力 ホームページ
http://www.tepco.co.jp/index-j.html
東京パワーテクノロジー ホームページ
http://www.tokyo-pt.co.jp/