飛島建設は3日、湿式吹付け工法によるシールドトンネル覆工構築技術の「TDRショットライニングシステム」について、今年11月20日付で国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)への登録が完了したことを公表した。
新技術に関わる情報の共有とその提供を主な運営目的とするNETISは、国土交通省のイントラネット・インターネットで運用されるデータベースシステム。今回の「TDRショットライニングシステム」についても、システムを通じての閲覧が可能だ。
飛島建設の「TDRショットライニングシステム」は、同社の保有しているTDRショット工法をさらに発展させたもので、TDRは「Tough and Durable Repair Shot」の略。
同技術においては鋼製セグメント内の充填と覆工表面の形成について、それぞれ無機系モルタルと高品質モルタルを層別に湿式吹付けすることで実施。そのうえで左官仕上げを行い、シールドトンネルの覆工に求められる耐久性や平滑性を実現するものとなっている。
飛島建設によれば、昨今のシールドトンネルでは従来の二次覆工を省略したトンネル構造である、二次覆工一体型のコンクリートセグメントが標準的であるとのこと。
こうした中、分岐部や小さい曲率の急曲線箇所など鋼製セグメントが適用される一部箇所においては従来通り覆工を行う必要があるため、コンクリートセグメントの仕上がり内径に従う形で覆工厚が薄肉化。結果として、通常のコンクリート打設では求められる品質に達しないケースが生じているという。
「TDRショットライニングシステム」はこうしたケースを打開するための覆工構築法として開発されたもので、すでに東京都品川区の「目黒川右岸低地部排水施設整備工事」や神奈川県横浜市「金沢共同溝工事」といった工事で適用済みだ。
飛島建設では今回の登録を機に、今後同技術の展開をさらに発展させていく考えだとしている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
飛島建設 プレスリリース
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