柔軟なPTFEを素材に使い、省エネを実現
住友電工は9月8日、下水などの排水処理が低コストで実現する膜モジュールを開発したと発表した。
新たに開発されたのは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)中空糸膜を使った「膜分離活性汚泥処理」用の大型モジュール。膜が揺れやすいように、柔軟性をもたせたのが最大の特徴だ。
膜振動時の消費エネルギーがこれまでの3分の2以下に
膜分離活性汚泥処理は、水処理時に活性汚泥槽に膜を沈めてろ過するが、目詰まり防止などのために空気にさらして膜を振動させ、洗浄する必要がある。
しかし、膜を振動させるためには多大な電気エネルギーを消費するため、維持コストの負担が大きいという問題があった。
そこで住友電工は膜の振動時の消費エネルギーを抑えるために、柔軟性が高く、膜が汚れにくいPTFEを素材に用いたモジュールを開発した。
単一素材で作られた中空糸膜としては、他の素材のものと比べて8~10倍の強度を誇る。柔軟性にも優れるため、通常は最大2メートルとされる膜の長さを3メートルに伸ばすことに成功。振幅を大きくすることにより、膜洗浄力も向上させた。
また、膜を高密度に配置しており、膜モジュール1台あたりのろ過面積も、最大で約60平方メートルまで拡大した。
これらの結果、膜振動時に必要な電気エネルギーをこれまでの3分の2以下に抑えるとともに、設置面積のコンパクト化にも成功。導入費用の低減が期待できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
住友電気工業株式会社のプレスリリース
http://www.sei.co.jp/company/press/2015/09/prs073.html