「省スペース型制振構造」を採用した複合用途ビルを上棟
戸田建設は9月2日、「省スペース型制振構造」を採用した複合用途ビルを上棟したと発表した。
壽屋本社ビル新築工事において用いるもので、エレベータシャフトに制振装置を集中配置し、地震時の揺れを制御するのが特徴の工法である。
柱と大梁に囲まれた空間に設置しなくても大丈夫
壽屋本社ビルは鉄骨造地上6階、延床面積約6,100平米の施設。本社ビル機能に加え、店舗やイベントスペースなど多彩な用途に利用されるため、各階の平面プランが異なる複合用途ビルとなっている。
このため、全フロアの平面プランが一貫している一般的なビルと同様の制振構造は採用できない。
そこで、従来の柱と大梁に囲まれたスペースに制振装置を設置するのではなく、エレベータシャフト内に「制振フレーム」と名づけた制振ダンパー設置用のフレームを設け、そこに制振ダンパーを集中的に配置する「省スペース型制振構造」を採用した。
設計時のシミュレーション解析によると「省スペース型制振構造」を用いた場合、制振ダンパーのない耐震構造に比べて地震時の揺れが約30%低減されることがわかった。さらに、本体構造の安全性の確保はもとより、外壁の止水性や内装被害といった非構造材の損傷も抑制できることが確認されたという。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
戸田建設株式会社のニュースリリース
http://www.toda.co.jp/news/2015/20150902.html