清水建設株式会社は、同社が開発した超低収縮コンクリート「ゼロシュリンク」に、優れたひび割れ防止効果を確認した。
2014年12月に竣工したいすゞ自動車の新研修センターにおいて、擁壁に適用した超低収縮コンクリート「ゼロシュリンク」は、打設後半年以上が経過したが、擁壁表面にはひび割れの前触れとなるヘアクラックなどの性状変化は認められない。
また、2012年の開発後に同社の技術研究所において低層階床・外壁に打設したゼロシュリンクも、すでに2年以上経過するが収縮ゼロの状態を維持しているという。
鉄筋コンクリートのひび割れの主な原因は、乾燥して収縮するコンクリートを鉄筋などが拘束し、引き裂くような力が作用することによる。ひび割れは美観を損なうだけでなく、耐久性も低下させてしまう。
コンクリートの乾燥収縮を極力防止した上で、わずかに生じる収縮を膨張材による初期膨張効果により事前に相殺し、収縮を実質ゼロにしたコンクリート。
乾燥収縮を防止するため、セメントは比較的収縮量が少なく、初期の温度収縮も低減できる中庸熱ポルトランドセメント。骨材は吸水率が低く、殆ど収縮しない石灰岩を採用、収縮低減剤については保水効果の高いものを採用。
膨張材は膨張量の制御だけでなく、コンクリート内部に働く膨張力で収縮力を相殺する可視化できない部分の評価も必要なため、実験と同社独自の膨張効果予測手法による検討により、配合量を確定する。
今後、意匠を優先するコンクリートの打放し壁や機能性が重視される倉庫・工場などへの適用増が期待される。
(画像はプレスリリースより)
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清水建設株式会社 プレスリリース
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