阪急阪神ホールディングス株式会社は7月1日、6月にシンガポール政府から土地使用の許可が得られたことを受け、シンガポール西部地区で新たな物流倉庫を建設すると発表した。
今回の倉庫建設は、不動産保有会社の「阪急阪神プロパティーズ シンガポール」(HHPS)が物流事業運営会社の「阪急阪神エクスプレス シンガポール」(HHE SIN)と賃貸借において事業提携し、HHE SINが倉庫へ主要テナントとして入居するという一連のプロジェクトに沿ったものだ。
倉庫の建設は阪急電鉄及び阪神電気鉄道が共同で設立した現地法人「阪急阪神プロパティーズ シンガポール」が担当し、今年秋の着工、2017年春頃からの運営開始を目指す。
倉庫はシンガポール市内中心部から西に10km以上離れたジャランブロー地区に建設される予定で、その敷地面積は約19,200平方メートル、延床面積は48,000平方メートル。
倉庫の建物はRC造9階建てとなり、低層階には冷蔵設備導入を踏まえた空調フロアを設置することで、電子部品や医療・ヘルスケア機器をはじめとする多様かつ高度な物流ニーズへ備える。
また、上層階には通常のラックシステムより狭い通路を採用して収納力と作業効率を向上させた「VNAラックシステム(Very Narrow Aisle Racking System)」を導入して生産性強化を目指す予定だ。
これに加えて、医療機器物流管理基準のGDPMDS(Good Distribution Practice for Medical Devices)など各種品質システムにより、高品質な物流の提供を図るとしている。
阪急阪神ホールディングスグループでは中期経営計画に沿った積極的なマーケット開拓を進めており、今回の倉庫はアセアン地域で同グループが保有するものとして、インドネシアに建設中のものに次ぐ2件目の物流倉庫となる。
シンガポールは国際物流ネットワークのハブとして高い優位性を持っているとされ、同グループでも完成予定の倉庫をアセアン地域におけるハブとして位置づける計画だ。
また既存倉庫との連携によってロジスティクスビジネスの強化を図り、急成長を遂げるアセアン域内の物流需要に対応していく構えであるという。
同グループではこれら一連のプロジェクトを通してノウハウを蓄積するとともに、情報収集と事業機会の開拓に努めることで、さらなる海外展開につなげていきたい考えだ。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
阪急阪神ホールディングス株式会社 ニュースリリース
http://www.hankyu-hanshin.co.jp/file_sys/news/3490.pdf