九電他3社が、火力発電所開発へ
3月27日、出光興産株式会社、九州電力株式会社、東京ガス株式会社の3社は、千葉県袖ヶ浦に共同出資の石炭火力発電所開発に向けた検討を進めることに合意した。
それを受け、本年5月に特別目的会社(仮称) 株式会社千葉袖ケ浦パワーを設立する予定である。本社所在地は、発電所が敷設される千葉県袖ケ浦市。
CO2削減に見直される石炭火力
東北大震災以降、各原子力発電所の長期停止に伴い、国内発電量に占める原子力の比率が大幅に低下。他方、火力発電比率は約9割まで上昇しており、特にLNG火力が5割近くを占める。それにより、火力発電代替に伴う燃料費が、2010年以降右肩上がりになっている。
最近の円安で、貿易収支に好材料となる要因に影を落としている。そこで、価格変動が大きい原油やLNGに比べ、低価格で価格も安定している石炭へのニーズが増加している。環境への悪影響を懸念される方も多いが、わが国の石炭火力の熱効率は世界最高水準である。
電力小売全面自由化をにらんで
2016年4月にスタートする電力小売りの全面自由化に向け、各電力会社の競争が激しくなってくる。消費者の選択のポイントは「料金の安さ」のようだ。そこでランニングコストが安価な石炭火力への移行が加速していくと思われる。
現在、石炭火力は微粉炭火力の超々臨界圧(USC)が最高効率の技術として実用化されており、今回、合意に至った(仮称) 株式会社千葉袖ケ浦パワーでも、同様の超々臨界圧方式が採用される。
同社の発電規模は、最大200万kW(100万kW×2基)、運転開始は、2020年中頃を予定しており、燃料に石炭以外にバイオマスの使用を検討している。
(画像はプレスリリースより)
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