バイオマスをメタン発酵させるバイオガス化は、電気や熱などへと有効にエネルギー変換できる画期的なリサイクル技術として、地球温暖化防止はもちろん、エネルギーの地産地消や再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の対象など、近年注目されている。
三菱マテリアル株式会社は2015年1月26日、資源・リサイクル事業本部において、バイオマスを原料としたメタン発酵によるバイオガス化実証試験を、埼玉県の下水処理施設内で実施すると発表した。
国内の廃棄物最終処分場の残余年数は、現時点で15年程度といわれるなか、新たに処分場を建設することも難しく、最終処分量の削減による延命対策が課題となっている。
飼料や肥料としてリサイクルされるのは、食品系廃棄物全体の約2割に過ぎず、大半が焼却処分されている。また、下水汚泥の約8割は、セメント原材料などの建設資材としてリサイクルされている。
2013年6月に、環境省による「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の補助事業の採択を受けている同社では、バイオマス原料を対象としたバイオガス化システムの構築と、発電などのエネルギー利用も含めた事業モデルの検討を行う。
実証試験では、自治体が所有する下水処理施設などのインフラの活用や、排出事業者や収集運搬業者同士の連携構築、セメント工場での残渣(ざんさ)利用についての技術確立などを目指していく。
今後は産学官連携の取り組みを通じて、バイオガス化事業モデルの全国普及を見据えた構築とともに、2018年度を目標とした事業化検討を進めていく。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
食品系廃棄物などのバイオガス化実証試験実施について – 三菱マテリアル
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/01/01/15-0126.html