川崎重工業は、1月22日、韓国のエンジニアリング会社である三千里ES社より、同国の大手製紙会社である全州製紙向けに木質チップおよびRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)を燃料とする発電用の内部循環流動床ボイラ1缶を受注したことを発表した。
韓国政府は2012年、「新・再生可能エネルギー義務割当制」を導入。販売電力が一定量を超える電力事業者に対して、ある一定の新・再生可能エネルギーの供給を義務付けていることから、バイオマスや廃棄物を高効率かつ安定的に燃焼できるボイラに注目が集まっているという。
今回受注したボイラは、川崎重工業過去最大となる毎時131トンの高温・高圧蒸気を供給する、高効率な「内部循環流動床ボイラ」だ。
燃料には、腐食性物質や環境汚染物質を含むごみなど、様々な廃棄物やスラッジを使用。
ボイラの流動床部を燃焼セルと収熱セルに分け、流動媒体を燃焼セルから収熱セルに循環することで、収熱セルに設置した伝熱管により層温度を制御するとともに、塩素等の腐食性ガスによる伝熱管の腐食を防ぐという。
なお、播磨工場で製作し、全州製紙全州工場内で2017年中に運転を開始する予定で、発電した電力は電力事業者に売電される計画だ。
川崎重工業では、今回の受注について、これまで納入した国内2基、海外1基の内部循環流動床ボイラの高い技術力が評価されたものと位置づけている。
世界的なエネルギー需要の増加に伴い、内部循環流動床ボイラの発注が見込まれることから、今後もグローバルに同種ボイラの営業展開に取り組む方針だ。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
川崎重工業 ニュースリリース
http://www.khi.co.jp/news/detail/20150122_1.html