鹿島道路株式会社が斜面上の施工機械を安全に保持しながら、自由に施工移動することができる油圧巻き上げ装置を開発し、現場導入を行ったと発表した。
ダム堤や貯水池斜面は遮水をすることが目的で、水工アスファルトによる緻密な舗装施工を行うことが一般的だ。しかし施工場所は斜面上となるため、施工機械を保持することが問題であった。
そのため上部もしくは下部からサポートをすることが必要となり、斜面角度がきつくなるに従って確実に保持をしなければいけない。
このような場合にはワイヤやロッドで固定してしまうのだが、そうなると施工機械の自由度はなくなってしまうため施工作業することが出来ない。
例えばワイヤーロープで巻き上げ装置を用いて保持した場合には、施工機械の移動はウインチの巻き上げと下げ速度に拘束されてしまうことになる。
そのため鹿島道路では作業機器重量の斜面分力と同じ力で釣り合うような反力を、滑車の先にウエイトで賄うことができれば作業機器は自力で自由に移動作業することが出来ると考えた。
油圧ウインチによる巻き上げ装置に斜面分力にて牽引しながらも、ワイヤにそれ以上の張力がかかるときは緩む。また逆に緩んだ時には、斜面分力が発生するまで巻き上げを行う「定張力油圧回路」を開発した。
現在は4機のウインチポーターにこのシステムを搭載し、そのうち2機が斜面切削現場での作業を開始している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島道路株式会社
http://www.kajimaroad.co.jp/index.html
プレスリリース(日経プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID