冬暖かく、夏涼しい地中熱で省エネ
積水化学工業は10月24日、地中熱を利用して空調や給湯を行う、地中熱システム事業をスタートさせた。
新たに事業展開を行うのは、「エスロヒート地中熱-水平型」と名付けられたシステム。新開発の高採熱管を採用し、地中の浅い部分から熱を効率的に取り出せるのが特徴だ。
これまでは地中の深層部から熱を回収するボアホール型が一般的だったが、浅層部から熱を取り出すことで、採熱部の施工コストが約40%削減できるようになった。
「エスロヒート地中熱-水平型」は採熱部、熱交換部(ヒートポンプ)、空調や給湯などの熱利用機器で構成されている。採熱管内を循環させる不凍液を熱媒体としており、冬場は地中から熱を回収し、夏場は地中に放熱する。
(画像はプレスリリースより)
ZEBの空調から、農業への活用まで積極展開
地中熱は、再生可能エネルギーとして注目されており、ZEB(ゼロエネルギービル)の実現を目指す建築物に導入されることが増えてきた。
冷房時の排熱がないため、ヒートアイランド現象を抑制できるのも大きな特徴で、都市部のクリーンエネルギーとしての需要が高まると期待されている。
積水化学工業では、省エネルギー法の改正で、省エネ基準適合が義務付けられると予想される建築物主なターゲットとしており、2016年度の「エスロヒート地中熱-水平型」の売上高目標として4億円を掲げている。また今後は、農業分野などにも積極的な事業展開を図っていく方針だ。
▼外部リンク
積水化学工業株式会社のプレスリリース
http://www.sekisui.co.jp/news/20127.html