10月17日、太田国土交通大臣は中央新幹線 品川-名古屋間の工事実施計画を認可した。この工事実施計画について、本年8月26日にJR東海から申請があり、技術基準等への適合、環境への配慮、工事費や完了予定時期の主に3つの観点から審査を行い、決断された。
リニア中央新幹線が走行する路線は、286キロメートル(地上部40キロメートル、トンネル部246キロメートル)となっており、8割以上がトンネルの中である。地上部は、山梨県の一部区間と長野県駅と岐阜県駅だけである。
画像は、中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書のあらましより
現在の東海道新幹線は戦後の復興のシンボルであり、当時は都市機能が未成熟であった。今回の工事で懸念されるのは、環境への影響である。
運行区間は一都六県となっており、中でも山梨県から静岡県、長野県から岐阜県はいずれも南アルプスや中央アルプスが連なり、希少動植物の宝庫となっている。
JR東海がもっとも苦慮しているのは、運行区間の8割を占めるトンネル工事、特に南アルプストンネルなど難易度の高い工事も想定されている。それによって生じる発生土置き場の設置に関しては、水質、重要な地形、地質、動植物、生態系など地域住民との話し合いを積み重ね、慎重に進めて行きたいとしている。
太田国土交通大臣は、「リニア中央新幹線は、最速で東京―名古屋間を40分程度、東京―大阪間を1時間強で結ぶことにより、三大都市圏間の人の流れを大きく変え、国民生活や経済活動にも強い影響を与える重要な事業」との見方を示し、リニア建設工事の重要性を強調した。
さらに太田国土交通大臣は、リニア中央新幹線が果たすもうひとつの側面として、大規模災害に備えた交通ルートの二重系化が必要との認識を閣議後の会見で示した。中央新幹線の整備計画としては、東京-大阪区間で建設に要する費用は90,300億円を見込んでいる。
▼外部リンク
国土交通省 太田大臣会見要旨
http://www.mlit.go.jp/page/daijin141017.html
JR東海ニュースリリース
http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000024273.pdf