建設事業費を上方修正
25日に長崎市は、市議会の都市再生財政問題特別委員会で、新市庁舎の建設事業費が約200億円から約230億円に膨らむとの見通しを立てた。理由には、昨今の建設労働者不足に資材高騰が影響している。
市が策定した当初の計画では、市庁舎の規模は延床面積を45,000~50,000平方メートル程度(駐車場除く)と想定。建設規模を駐車場部分を含めた55,000平方メートルとした場合、他都市の事例などから200億円程度との試算をしていた。
大型事業の優先順位で、MICEに軍配
長崎市は、市役所がすでに築50年以上で建物の老朽化が進み、耐震安全性の観点からも、平成23年2月に「建替え」という方針を定めた。その建替え場所を公会堂及び公会堂前公園の敷地とし、現在の公会堂に匹敵する施設を新たに建設する方針を決定していた。
しかし、今年6月議会において計画の撤回を余儀なくされた。理由には、大型事業の集中が予想される中、技能労働者の確保や円滑な施工が見込めるのかという懸念があること。
さらに、大型事業の優先順位という点からは、巷で話題の大型コンベンション施設(MICE)を優先することとなった。新庁舎建設の時期は、合併特例債が活用できる20年までに着手する構え。
工事費高騰が、都市計画整備に暗い影を落とす
他県の類似事例として、山形県鶴岡市の新文化会館建設事業では、四度目の入札に本体の工事費を19億9千万円上積みし78億9千万円とする方針を固めた。
総事業費は当初の45億円の二倍近くとなり、約86億円にまで膨らんだ。同市は、東京五輪を含む大型事業の集中による工事費高騰の影響としている。
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