東芝とイビデンは、7月3日、炭化ケイ素(以下、SiC)を素材とする原子力発電プラント向け炉心材料の製造技術を確立し、燃料集合体カバー材の試作に成功したことを発表した。
2016年度以降、研究炉で試験を行い、2025年以降には既設プラントの交換部品として実用化するべく、現在、原子燃料工業や東京大学先端科学技術センター、東北大学金属材料研究所と連携して研究を進めているところだという。
(画像はプレスリリースより)
今回、燃料集合体カバー材に適用したSiCは、耐熱性と耐酸化性に優れているだけでなく、SiC長繊維にて構成することで、より強度を向上させたSiC複合材だ。
SiC複合材の製膜工程に、原料ガスを供給し、化学反応により基板表面に膜を堆積する方法(以下、CVD)を採用することで、製膜速度は従来比20倍を実現。燃料集合体カバー材の量産化が可能となった。
また、特殊炭素素材に機械加工を施した型を用い、CVD装置を長くすることで、SiC長繊維を燃料集合体カバー材の形状にし、4メートル超の集合体カバー材を高い精度で製造することができた。さらに、特殊な形状にも適用できるため、燃料被覆管にも応用可能だとしている。
東芝は、プラントの安全性をさらに高めるべく、今後も技術開発を進め、原子力発電プラント向けサービス・燃料事業の強化を進めていく。
一方、イビデンは、豊かな社会の発展に貢献する製品を供給するため、今後も革新的な技術を開発していくかまえだ。
▼外部リンク
東芝・プレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2014_07/pr_j0301.htm
イビデン・ホームページ
http://www.ibiden.co.jp/